弁護士大久保康弘のブログ

大阪の弁護士です。お問い合わせ、ご依頼はy-okubo@gf6.so-net.ne.jpまで

正圓寺の仏像たち

 

大阪市阿倍野区にある正圓寺には、ちょうど1年前に訪問しブログにも書きました。

okubolaw.hatenablog.com

最近、この記事を見ていただいている方が増えているようで有難いことです。

 

今回、1年ぶりに仏像群が公開されるということで出かけました。

去年も猛暑でしたが、今年はそれを上回る猛暑でしたが、冷房のある広い客間で異形の仏たちを拝観することができました。

 

今回は仏像を何点かご紹介します。

ここのご本尊は秘仏歓喜天ですが、今回も歓喜天像、歓喜天曼荼羅をいくつか見ることができました。

 

f:id:okubolaw:20180722233537j:plain

上の像は像の頭をしたものですが、女性の顔をしたものもあります。

f:id:okubolaw:20180722232035j:plain

 歓喜天以外に、前回も見ることができた九曜星などに再会することができました。今回は解説を聞くことができ、この荼吉尼天の面白さがよく分りました。

f:id:okubolaw:20180722203211j:plain

 

ベースは荼吉尼天ですが、歓喜天の要素もあれば、頭の上は宇賀神であり、また翼もついているという、いろんな要素を持った複雑怪奇な像でした。

 

お堂に移って釈迦十六善神像を拝観。

f:id:okubolaw:20180722203907j:plain

とにかく異形の仏の宝庫で、圧倒されてしまいました。 

 

ワールドカップ2018(日本代表編)

 

 

 

兵を引いてセネガルを裏切りグループリーグを突破した日本は、トーナメント一回戦で2002年大会のグループリーグで対戦したベルギーとの一戦にのぞみました。

朝の3時過ぎに目が覚めたので、日本対ベルギーの試合を見ることにしました。

前半は両チームとも動きが多少固く0-0。

しかし後半になって日本の動きが良くなり、立て続けに2点を取ったことには驚かされました。このままいけば、決勝トーナメントでついに勝利を挙げることができます。

しかし。ここでベルギーがメンバーチェンジ。投入したのは長身の2選手で、これが実にうまくはまり、高さを生かしたヘディングで続けさまに2得点。同点となりました。

2-2のままロスタイムに突入し、このまま延長戦か、と思ったところで日本がコーナーキックのチャンスを得たものの、コーナーキックはキーパーへの見事なパスとなってしまい、そこからわずか9.35秒でゴール前まで運ばれ見事に決められてしまい、何と3-2で敗北となりました。またしても、期待させて最後に守り切れず敗退、といういつものパターンになってしまいました。

そのベルギーのカウンター は9.35秒カウンターと言われています。

 

f:id:okubolaw:20180704235934p:plain

 

以前からワールドカップ本大会における日本の作戦としては、守りを固めてカウンターで攻めるしかないと思っていましたが、今回も同じように中途半端な攻めで最後にやられてしまいました。この作戦に徹しきれないのは、アジア予選のレベルが低く、その中では日本が相対的に強いため、なかなかシビアな守備を体験することができないという点もあるでしょう。

 

この最後に守備にほころびが生じてしまう原因ですが、トルシエ元監督に言わせれば、「日本には守備の文化がない」とのことですが、それもあるし、テクニック的な問題、高さがない、などいろんな要素があると思いますが、一番大きいのは、最後にはチーム全体の体力が尽きてしまうということではないでしょうか。

「人事を尽くして天命を待つ」べきところ、人事を尽さなかったため敗退した、という結果でした。残念ですがいい経験となったのではないでしょうか。

杭全神社神宮寺の秘宝

7月2日、辰野ひらのまちギャラリーにて展示された、「杭全神社神宮寺の秘宝」展を見に行きました。

この展示は昨年から開催されている「なにわの神仏習合」シリーズで、このブログでも正圓寺、東大禅寺、西之坊を取り上げています。ただ、ほとんど宣伝されていないのでいつどこで開催されるかは、一度見に行き次の回はどこであるかを知らないと分からないので、一度中断したらなかなか次の情報が得られないということになってしまいます。この杭全神社の展示は、たまたまツイッターで教えてくれる方がいて見ることができました。

 

平野郷は、戦国時代に築いた環濠の中にある自治都市で、杭全神社はその中にあります。夏祭りのだんじりが有名です。

主祭神素戔嗚尊熊野三所権現、かつては牛頭天王も祀られており、なかなか異端の神社だということが分かります。そんな神社の神宮寺なので、ここでも他ではあまり見られない仏像がありました。

下は過去七仏像というもので、初めて見ましたが、釈迦仏までに登場した過去の仏が六つあり、釈迦仏を含めると七仏となるということのようです。下に書いておきますが、読めません。

 

  1. 毘婆尸仏(びばしぶつ)
  2. 尸棄仏(しきぶつ)
  3. 毘舎浮仏(びしゃふぶつ)
  4. 倶留孫仏(くるそんぶつ)
  5. 倶那含牟尼仏(くるごんむにぶつ)
  6. 迦葉仏(かしょうぶつ)
  7. 釈迦仏(しゃかぶつ)

f:id:okubolaw:20180718225737j:plain

また出山釈迦像も、仏画は見たことがありますが、仏像としては初めて見ました。

 

f:id:okubolaw:20180718230834j:plain

 

春日明神立像も、仏像で見るのは初めてです。

f:id:okubolaw:20180718230616j:plain

 

 

その他、鞍馬山僧正坊半跏像なども興味深かったです。

 次回は何と再び正圓寺。7月20日から25日まで。午後1時から4時までの公開です。

 

村上春樹と父親

最近、たまたま村上春樹の父に触れた記事を続けて読みました。

一つは、この1998年に出た本。 

イアン・ブルマの日本探訪―村上春樹からヒロシマまで

イアン・ブルマの日本探訪―村上春樹からヒロシマまで

  • 作者: イアンブルマ,Ian Buruma,石井信平
  • 出版社/メーカー: 阪急コミュニケーションズ
  • 発売日: 1998/12
  • メディア: 単行本
  • 購入: 1人 クリック: 13回
  • この商品を含むブログ (4件) を見る
 
 
この本では、日本の作家が何人か取り上げられていますが、寺山修司大島渚などと並んで村上春樹が取り上げられています。大磯の別荘での会見記ということです。
 
これが面白い。日本人がインタビューしたのでは全く出てこない情報が満載されています。 
まず文壇に属さないことについて。この文壇は多分日本独自のものでしょうから、著者からは不可思議なものとして扱われており、編集者から文壇に属さないことへの批判があること、などが書かれています。
 
そしてこのインタビューには奥さんも同席していて、奥さんの生の声が聴けることも貴重です。
 
さらに父親のことにも触れています。特に興味深いのが、春樹がお茶を入れに台所へいった際に、奥さんが「春樹は父親のことを絶対に人にしゃべらないのよ」と言っていたこと(92ページ)。
 

 また、たまたまこの本を読んでいた7月11日に、同日付け日経の夕刊コラム「あすへの話題」(筆者は元警視総監池田克彦氏)に「村上先生の思い出」という題で甲陽学院の先生だった村上春樹の父をめぐる記事が書かれていました。そこに書かれていたエピソードが以下のようなもの。

ある講習会の時に、「(挨拶に来られても)私には全く力はありません。現に、私の息子はこの学校の入試に落ちています。こんな私のところに挨拶に来られても何の意味もない」ということを言ったというのですが、何もそんなことを言わなくてもと思います。

 

村上春樹と父親、で思いだしたのは、 「八月の庵 僕の方丈記体験」という「太陽」1981年10月号に掲載されたエッセイです(単行本未収録)。

このエッセイは、滋賀県大津市芭蕉が4ヵ月隠棲していた幻住庵を、父親と訪問したことを書いたものです。

行き帰りに古典について父親に教わったことが書かれています(父親は古典の教師でした)。このエッセイを読む限り、それほど父親のことを嫌っているという印象は受けません。ただ二人とも親子の距離を測り損ねただけではないでしょうか。 

 

このエッセイによれば、父親から木曾義仲の最期について聞かされたとのことですが、義仲、芭蕉といえば保田與重郎です。この幻住庵からほど近くに義仲寺があり、3人の墓があります。はたして父親は保田与重郎のことを春樹に教えたのかが気になります。

 

この幻住庵ですが、2013年3月20日に訪問しました。

 

f:id:okubolaw:20180712230715j:plain

f:id:okubolaw:20180712230755j:plain

 先のエッセイには、細い道を、山を越えて歩いたとありますが、少し高いところにあるものの、車で行けるし山越えという感じでもなかったので、この親子は東海道線石山駅ではなく、京阪の石山寺駅から行ったのではないでしょうか。

 

 

ワールドカップ2018(グループリーグ編)

4年に一度のサッカーのワールドカップが開催されています。

この原稿は大阪弁護士会のブログ、「弁護士の放課後 ほな行くで」のために執筆したもの(6月25日)に加筆したものですが、前回コラムを担当したのは平昌五輪のフィギュアスケート男子で、今回はワールドカップと、このような世界的イベントの時に担当が回ってくるのはありがたいことです。

私は、スポーツ観戦では短い時間で結果が出るフィギュアスケートや競馬が好きで、サッカーのような長時間競技はあまり見ないのですが、ワールドカップは見ます。

サッカーファンの中には、ワールドカップよりクラブチームによるリーグ戦の方が面白いという方も多く、確かにプレーはクラブチームの方がレベルは高いのですが、私はワールドカップの方が好きです。それは代表チームが国民性を反映した独特の個性を持ったチームとなることが多く、大会毎に新たな発見があるからです。

 

今回目立ったのはアイスランド代表。とにかく大柄な選手が鉄壁の守備をしつつ、速いカウンターでアルゼンチンを苦しめました。これぞバイキングの末裔に相応しいチーム。応援のバイキングクラップもユニークです。

 

そしてセネガル代表。セネガルといえば、2002年日韓大会でフランスに対し歴史的勝利を収めベスト8まで進みましたが、今回はその時以来の出場です。当時のブルーノ・メツ監督もカッコ良かったですが、今回のシセ監督は当時のメンバーで今大会最年少で唯一のアフリカ系監督で、やはりカッコいい。見事なドレッドヘアのルックスだけでなく、「夢を大きく持たなければならない。だが小さく始めなければならない」などの名言があります。

 

そして日本代表もなかなかの健闘を見せています。現時点での世界ランキングは60位なので、グループリーグの対戦相手は全て格上なのですが、初戦の対コロンビア戦でいきなりPKを決めて先取点。一度は追いつかれましたが、後半になって動きがよくなり、「半端ない」大迫選手が得点を挙げ、見事に勝利。

そして、第2戦は先ほど取りあげたセネガル戦。昨夜はこの第2戦を見ていました。風呂に入っている時に先取点を取られてしまいましたが、前半のうちに追いつき、終了まぎわでは見事なオフサイドトラップを決めました。そして後半26分でセネガルに得点を許し、以前ならこれで力尽きるところ、今回はこれで終わらない。33分に同点ゴールを決め、1対1のドローで勝ち点1を挙げ、勝ち点4として、あとは最終戦次第です。

終戦も、思い切りプレーしてもらいたいものです。

 

と書いたのですが、最終戦は驚くような展開になりました。

普通にあの戦術を批判しても肯定しても面白くないので、勝手に妄想した話を作ってみました。題して「日本グループリーグ突破の変の巻」。

 

6月25日、日本対セネガル
2-2でドローも熱い試合。
シセ監督「日本はいいチーム」

シセ監督「日本よ、共にG Lを突破しようではないか!」
日本「おう!俺たちも全力で戦う!決勝でまた会おう!」

そして6月28日、最終戦
前半はどちらの試合も0-0。
後半14分、日本が失点。
シセ監督「俺たちは頑張る、日本も頑張れ!」
しかし後半29分セネガルついに失点。
「まだ頑張れる!点を取りに行け!」

しかし、この直後。

「殿、日本が兵を引きました!日本の裏切りです!1-0をキープして自分だけ突破しようとしています!」
シセ監督「是非に及ばず」

 

日本の裏切りを聞いたシセ監督の図

 f:id:okubolaw:20180630215548p:plain

 

しかしこのシセ監督のかっこいいこと。この監督率いるセネガルと共にグループリーグを突破してほしかった。

 

まあこの作戦に対しては批判も多いのですが、グループリーグ出場16か国中ランキングは61位と下から2番目(最下位はロシアだが開催国アドバンテージと組み合わせに恵まれた)、そしてトーナメントのオッズは唯一100倍を超えた(ちなみに1番人気はブラジル4.5倍、差のない2番人気にスペイン5倍)最下位の日本に何を求めるというのでしょうか。

 

この大会の日本は、ようやく自分たちの身の程を知ったというか、俺たちのサッカーを捨てることができたという点で今後に期待が持てます。前回の大会で俺たちのサッカーを全開にして惨敗し、今回の直前ハリルホジッチ氏を解任したのも俺たちのサッカーがしたいというのが原因だったという気がしていましたが、現実に本大会になると本田は先発しないし、ちゃんと守るし、最後にこの戦術でとにかくグループリーグ抜けという現実的作戦をとったことで、全く逆の結果になったことが面白いです。

 

なおサムライがこのように卑怯な戦術を、という批判があるようですが、それは江戸時代後期、実際の合戦がなくなってかなり後になってできた「葉隠」の極端にデフォルメされたサムライ像であり、実際に合戦が行われていた戦国期などは、攻めると言いながら攻めない裏切りなどごく当たり前にあったような気がします。

隠れ社寺訪問記(12) 聖林寺、談山神社

先週は三重県伊賀市まで行きましたが、今週は奈良県桜井市聖林寺談山神社を訪ねました。奈良県内ですが、先週はほとんど信号のない道を走っていたのに対し、今週は信号だらけでしたし、また道の選択も間違えたので時間がかかってしまいました。

 

f:id:okubolaw:20180617125527p:plain

 目的地は談山神社ですが、ちょうど途中に聖林寺があります。

ここに行くのは7年ぶりくらいかな。山の中腹にあり、近くに人家もあり、何より名高い国宝があるのですが、訪れる人が少なく隠れ社寺の名に相応しいところです。

f:id:okubolaw:20180617130026j:plain

 

f:id:okubolaw:20180617130152j:plain

ここは十一面観音が有名ですが、ご本尊は地蔵菩薩です。 

ãèæ寺ãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

さて奥の収蔵庫で十一面観音とご対面。私のような素人が見ても気品にあふれる観音様です。訪れた時収蔵庫には誰もおらず、独り占めすることができました。

画像はネットから拾ったものです。

 

ãèæ寺ãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

 

さて聖林寺から談山神社へは山道を上って行きますが、その途中に不動滝があります。

 

f:id:okubolaw:20180617211558j:plain

近くには真っ二つに割れた巨岩があり、破不動として祀られています。

f:id:okubolaw:20180617211637j:plain

そこからさらに少し登ると談山神社です。

 

談山神社の拝殿。

 

f:id:okubolaw:20180617211757j:plain

ここから右手に上がり、左手の本殿を拝する形です。

f:id:okubolaw:20180617211844j:plain

f:id:okubolaw:20180617214157j:plain

f:id:okubolaw:20180617214239j:plain

 

今回談山神社に行こうと思ったのは如意輪観音が開帳されていると聞いたからです。毎年6月から7月にかけて開帳されるとのこと。ここは紅葉シーズンには凄い人出となりますが、6月あたりは訪れる人も少なく、ゆったりした気分になることができました。

 

今週日曜日は「ほたる工房」総会です。

今週日曜日、神戸三宮の生田神社会館にて、私も監事として協力させていただいている「ほたる工房」の総会及び落語会、ミニコンサートが開催されます。ご興味のある方は

y-okubo@gf6.so-net.ne.jpまでご連絡下さい。

f:id:okubolaw:20180619181813p:plain