弁護士大久保康弘のブログ

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隠れ社寺訪問記(18)大宰府・観世音寺

先日小倉に出張する機会があり、午後の時間が空いたので、筑豊を縦断して桂川から原田経由で大宰府に行ってきました。訪問日は9月12日となります。

筑豊本線福北ゆたか線という名称になりました。折尾から桂川までは電化区間でしたが、桂川からはかなりくたびれたキハ147に乗りました。ボックスシートで、窓が開く車両に乗り、昭和のローカル線を満喫しました。

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原田からは二日市まで鹿児島本線に乗り、そこから歩いて6分で西鉄紫駅に着きます

。ここからは西鉄太宰府まで行きました。 

 

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太宰府天満宮は一度訪問したことがあり、ここに寄ると時間的にきついのでどうしようかと思いましたが、やはりここまで来たら寄らないとと思い、参拝しました。

 

さてここからは今回の主目的である観世音寺に向かいます。太宰府天満宮は平日にもかかわらずかなりの人出でしたが、観世音寺は、そこから歩いて20分程度にもかかわらず、ほとんど訪れる人もなく、まさに隠れ社寺の名に相応しい場所でした。

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本堂です。

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 梵鐘は国宝です。

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そして宝蔵に入り、二階に上がると、このように巨大な仏像たちに圧倒されます。

 

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とにかく大きい仏像が並びます。丈六仏ということですが、

とくに中央に安置された馬頭観音の迫力たるや。これは5メートルを超えるようです。

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さて観世音寺で仏像を満喫した後は、太宰府展示館までは歩いて5分くらい。ここが太宰府の政庁跡で、復元模型があります。

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そこからやや北に行くと、令和となり突然脚光を浴びた坂本八幡宮があります。

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その南側には、万葉集の梅花の宴の雰囲気が味わえるような風景です。

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 とにかく観世音寺の仏像群に圧倒された今回の社寺訪問でした。

隠れ社寺訪問記(17)幻住庵、立木観音、猿丸神社、禅定寺

このシリーズも17回目となりました。今回は5年前に訪問した、滋賀県南部の幻住庵、立木観音、そして京都府に入って猿丸神社、禅定寺を取り上げます。2013年3月20日に車で訪問しました。

ここは以前、当ブログで、「村上春樹と父親」というエントリで取り上げました。

http://blog.hatena.ne.jp/okubolaw/okubolaw.hatenablog.com/edit?entry=10257846132600323914

 

場所は石山寺から西へと行ったところです。

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写真を一枚上げておきます。

 

 

 

 

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次は立木観音に向かいます。ここも孤立した場所にあるため、知名度が低いのですが名所です。

宇治川に出て、川に沿って行けば駐車場がみえてきます。 

この長い石段を登った上に立木観音があります。

 

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階段が長くかなりしんどいのですが、登った満足感は格別です。

 

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このあたりは川沿いに人家がないのですが、しばらく行くと大石という集落に入り、ここから猿丸神社、禅定寺へは、宇治川から離れて783号線に入ります。

そしてそれほど山深くもない県境を越えて山城の国に入れば、猿丸神社が近づいてきます。

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 そしてここからは、今回の最終目的地である禅定寺はほど近くにあります。

 この寺は、山の上にあるというわけではなく、京都府の宇治田原町から滋賀県に抜ける途上の平地にありますが、今はこのルートの交通量があまりないことから、人里離れた場所になっています。

地図を載せますが、宇治から東の方向だということは分かってもらえたと思います。

 

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このように訪れる人は少ないのですが、歴史は古く、文化財の宝庫です。もらったパンフレットを貼り付けておきます。

重文の十一面観音が見事で、他にも日光月光菩薩文殊菩薩など重文がたくさんあり、宝物館が一杯となる仏像群に圧倒されました。 

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「画題でみる禅画入門」追記ー司馬遼太郎とスタスタ坊主

先日、「画題でみる禅画入門」を読んでブログに記事をアップしましたが、追記したいことがありました。

司馬遼太郎の「街道をゆく」シリーズは長らく読み継がれてきた作品であり、私も機会があれば読んできました。

昨日、この 「街道をゆく」4巻をたまたま読もうと思って手に取ったら、冒頭の「洛北諸道」の中に「スタスタ坊主」という章があり驚きました。

 

街道をゆく (4) (朝日文芸文庫)

街道をゆく (4) (朝日文芸文庫)

 

おお、禅画入門で読んだスタスタ坊主か、と読んでいたら、願人坊主、スタスタ坊主を取り上げていながら、「私もスタスタ坊主を描いた古い絵をみたことがない」と片付けられてしまっていました(文庫版13頁)。

さすがに私は先日「画題でみる禅画入門」を読んだばかりなので、スタスタ坊主の画ならまかせておいてくれというくらいの勢いです。

 ここに白隠のスタスタ坊主の画をあげておきます。

 

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街道をゆく」のこの章では、本来山伏のことを書きたかったようで、スタスタ坊主は山伏を引っ張り出すだしに使われたようなところがありますが、まあでもスタスタ坊主に触れたからにはこの禅画に触れてほしかったことろです。

しかし司馬遼太郎という、日本を代表する知識人、文化人であっても白隠和尚の禅画にあまり詳しくなかった、ということは文化の在り方を示唆するものではあるのでしょう。

私たちは禅についてあまりに知らなすぎるのです。

読書記録  画題でみる禅画入門(浅井京子)

「奇想の系譜」といえば辻惟雄氏ですが、今年の春、上野の東京都美術館にて開催された「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」を、フィギュアスケートの世界選手権を見に行った機会を利用して、3月22日に観賞することができました。

  

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 若冲、芦雪という辻惟雄氏の「奇想の系譜」で取り上げられた画家を堪能することができたのはもちろん、今回は白隠の禅画も展示されていました。

 

この白隠の画は、奇想といえばそうとも言えますが、本来は禅画であって、禅というもの本質が、独自の表現に表れて、奇想というような表現になったというべきでしょう。

禅画といえば、何年か前に偶然出会った仙厓の禅画も大好きで、2016年秋に東京で開催された出光美術館の「大仙厓展」永青文庫の「仙厓ワールド」で仙厓を堪能したことはこのブログの記事(盛りだくさんだった先週の週末 2016.11.03)でも取り上げています。

 http://okubolaw.hatenablog.com/entry/2016/11/03/222059?_ga=2.103041536.1008520491.1565865755-1463478512.1472130386

 

 このように以前から仙厓の禅画に興味があり、また見る機会があれば見ていたのですが、このたびこの本に出合い、読み進めていくうちにまさに蒙を開かれた感がありました。

 

画題でみる禅画入門: 白隠・仙厓を中心に

画題でみる禅画入門: 白隠・仙厓を中心に

 

 

この本は画題中心にまとめているのが有難いです。

例えば観音ですが、仏像では六観音なのですが禅画では三十三の観音があることを初めて知りました。もちろん蛤観音や貝殻観音の画は見たことがあるのですが、全部で三十三あるとは知らなかったのです。

下は白隠の蛤観音。

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 これは仙厓の貝殻観音。

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また寒山拾得についての詳しい解説もありました。以前、京都相国寺塔頭、大光明寺を拝観したことがあり、そこに若冲と仙厓の画が掛けられており感心したことがありましたが、その仙厓の画は豊干が猫虎に乗った図でした。寒山拾得と豊干、虎の四者が寄り添い眠る四睡図も見たことがありますが、そのあたりが関連付けて分かるようになったのは非常に有難いことでした。久し振りに実になる本を読みました。

 

なお佐川美術館で今年の10月1日から、「ZENGA 白隠と仙厓展」が開催されることを知りました。以下がそのURLです。

http://www.sagawa-artmuseum.or.jp/plan/2019/03/zenga.html

 

 

 

追悼ディープインパクト

北海道で種牡馬生活を送っていたディープインパクトが17歳でその生涯を閉じました。

まずは現役時代の思い出から。

2004年12月の新馬戦でデビューし楽勝。年が明けて2戦目の若駒ステークスは、見に行こうか迷って結局見に行かなかったのですが、直線だけでごぼう抜きという派手なレースで、このレースで衝撃を受けたという人も多く、見に行けばよかったと後悔しました。

ディープインパクトのレースで、私が生で見たレースは、菊花賞天皇賞だけでした。

菊花賞は一周目の3コーナーから折り合いに苦しみましたが、その後何とか折り合いを付け、直線では力強く伸び、三冠達成の瞬間をこの目で見ることができました。

翌年春の天皇賞では、武豊が馬の走る気に任せようとしたのか、3コーナーで先頭に立ち、そのまま最速の上がりで圧勝しました。実力を最大限に発揮したという点では一番のレースだったのではないでしょうか。


2006 天皇賞(春) ディープインパクト

 

また敗れたレース、3歳時の有馬記念凱旋門賞も印象に残っています。

有馬記念では追い切りの日を変更したことが一部で心配視されましたが、直線早めに抜け出したハーツクライに迫ったものの交わせず、その心配を裏付けるような結果となりました。

凱旋門賞は直線で早めに先頭に立ち、このまま行けるかと思いましたが、最後に力尽き3着となりました。

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種牡馬になってからの活躍は現在も進行中であり、能力の高い産駒が大量に出ています。

ダービー馬も現在まで4頭輩出していますが、私がこれは凄いと思ったのが「最短で、古馬G1レースを制覇する」ことでした。産駒が3歳になった年にリアルインパクト安田記念に出走して、そのまま制覇してこの記録を達成しました。

だいたい安田記念に3歳馬が出ることはそれほどないのですが、初年度に出て制覇するというのは、今後破られることがないと思います。

日本人好みのドラマ性があったハイセイコーオグリキャップと違い、純粋に強さが評価され人気があったことは特筆すべきことだと思います。

隠れ社寺訪問記(16) 応現寺 東鳴川観音講 不空羂索観音

隠れ社寺訪問記16回は、奈良市内の隠れ里、東鳴川にある東鳴川観音講 応現寺を訪問しました。

ここは毎月第一日曜日のみ公開されており、不空羂索観音を拝観することができます。6月2日に訪問することができました。

奈良市の北側から、柳生に通じる国道369号線を行き、途中で岩船寺の方向に分かれる県道33号線に入ります。東鳴川のバス停を通り過ぎてしばらくのところに右手に入る道があり、そこで車を止めて、細い坂道を登ります。

 

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この場所までくると、右に曲がる舗装道路ではなくまっすぐ奥に進むので注意。

舗装道路の方を行くと春日明神が鎮座しています。

 

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さて本題の不空羂索観音は、このお堂の中に鎮座されています。

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毎月第1日曜日に公開されており、近隣の住民の方々が公開の御世話をしておられます。この方々のご尽力により素晴らしい不空羂索観音像を拝観することができます。

 

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八臂ですが下の腕が膝より下に下がっており、初めは六臂かと思いました。

ちょうど私が訪問した時には、埼玉県から来られた方もおられました。遠くからでも訪問する価値のある仏像だと思います。

谷町・九應寺から宝塚記念へ

6月の非公開文化財特別公開第3弾は、生国玉神社の南、生玉寺町にある九應寺でした。23日の日曜から火曜までの3日間でしたが、日曜日には阪神競馬場宝塚記念がある。谷町9丁目であれば、13時に行きその後すぐに仁川に直行すれば宝塚記念を見ることができるのではないかと考えて行くことにしました。

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上の地図は現地にあったものです。

真ん中の右手にある緑の部分は生国魂神社で、その下(東側)の道を左(南)に進むと今回公開される九應寺です。

 

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開場前からこのように列ができていました。

 

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ご本尊と対面。

この阿弥陀仏はこのあたりが空襲にあった時、当時の住職が運び出し焼失を免れたものです。

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表情がおおらかで柔らかな阿弥陀仏をじっくり間近で見た後、急いで谷町線四天王寺夕陽丘駅に。この駅は地下に降りたらすぐにホームに出られるので助かります。

 東梅田から阪急に乗り仁川へ。

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パドックでのリスグラシュー

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この日はパドックに長く居すぎたため、レースを見るのにいい場所までたどり着けませんでしたが、そんな中で何とか1周目の直線で勝ち馬リスグラシューを撮影することができました。

 

 

f:id:okubolaw:20190624232103p:plainリスグラシューはこれまで後方から差して届かずが多かったのですが、今回はレーン騎手に乗り替わると何と2番手につけ、直線に入ると逃げるキセキを交わして3馬身差をつける圧勝劇。父のハーツクライ有馬記念で突如先行してディープインパクトをやぶったことを彷彿とさせる走りでした。

帰りは今津から快速急行で帰ったのですが、電車の中で爆睡してしまい、目が覚めたら奈良駅の手前のトンネルでした。西大寺までは2年に一度くらいはありますが、奈良まで行ってしまったのは初めてでした。まあまだ6時なのでそれだけよく眠れてよかったというべきでしょう。