弁護士大久保康弘のブログ

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読書

大晦日と読書

今年も大晦日になってしまいしました。 今年中にやろうと思っていてできなかったことは、当然ながらいろいろありましたが、毎年やっていることはできるだけ続けたいものです。 その一つが、年間200冊本を読むということです。 ただし、すぐ読めるビジネス書…

「読まなくていい本」の読書案内

さて今回が問題の「読まなくていい本」の読書案内です。 「読まなくてもいい本」の読書案内:知の最前線を5日間で探検する (単行本) 作者: 橘玲 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2015/11/26 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (10件)…

「ジニのパズル」

最近の本をあまり読まない私にとっては珍しく、今年出た本を読みました。 ジニのパズル 作者: 崔実 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/07/06 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (7件) を見る 冒頭はアメリカ・オレゴン州。主人公はホームステイをし…

小林秀雄を巡る3冊の本-「小林秀雄の恵み」「ドーダの人 小林秀雄」「なにもかも小林秀雄に教わった」

今時、小林秀雄とはアウトオブデイトも甚だしいのですが、たまたま最近2冊の小林秀雄に関する本を読み、それぞれ面白いところがあったのでその2冊と、以前読んだ木田元の本も加えて小林秀雄について考えてみることにしました。 まずは、橋本治「小林秀雄の…

伊藤之雄「元老」と坐漁荘

伊藤之雄氏は日本近代の政治家の評伝を多く手掛けられていて、私もそのいくつかを興味深く読みましたが、今回は「元老」を読みました。 元老―近代日本の真の指導者たち (中公新書) 作者: 伊藤之雄 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2016/06/21 メディ…

エウロパの海と「生命の星・エウロパ」

先日、NASAから重大発表があるというリリースがあり、木星の衛星エウロパの表面から水蒸気と思われる物質が噴出していることを確認したということでした。 少し以前から、エウロパの表面は氷に覆われているが、その下には海があるのではないか、という説が有…

中島京子「のろのろ歩け」と台湾・平渓線の風景

今回は中島京子「のろのろ歩け」を紹介します。 のろのろ歩け (文春文庫) 作者: 中島京子 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2015/03/10 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る 北京、上海、台湾とアジアの3つの土地での「新しい扉をひらく彼…

2016年上半期に読んだ時代小説

今回は今年の上半期に読んだ時代小説を何冊か挙げてみます。別に時代小説ばかり読んでいるわけではありませんが、年を取ると何となく読んだ本に占める時代小説の割合が増えていくのは仕方ないですね。 まずは葉室麟「銀漢の賦」。 銀漢の賦 (文春文庫) 作者:…

角田光代さんの「対岸の彼女」と「私のなかの彼女」

先日、角田光代さんの「私のなかの彼女」を読み、このエントリを書こうと思いつきました。 これまで角田さんの作品はたくさん読んできましたが、その中で一冊挙げるとすれば、「対岸の彼女」です。これには泣かされました。 対岸の彼女 (文春文庫) 作者: 角…

花田清輝と花田十輝

表題の2人ですが、今となっては花田清輝の名前を知る人もかなり少なくなっているような気がします。 復興期の精神 (講談社文芸文庫) 作者: 花田清輝 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2008/05/09 メディア: 新書 購入: 1人 クリック: 32回 この商品を含むブ…

「豊穣の海」と三輪山登拝

先日、三輪山に登拝したことを書きましたが、この機会に、「豊穣の海」の「奔馬」の該当部分を読みかえしてみました(新潮文庫版によります)。 奔馬―豊饒の海・第二巻 (新潮文庫) 作者: 三島由紀夫 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2002/12 メディア: ペー…

「江戸の読書会」(前田勉)と広瀬淡窓を描いた葉室麟「霖雨」

江戸の読書会 (平凡社選書) 作者: 前田勉 出版社/メーカー: 平凡社 発売日: 2012/10/17 メディア: 単行本 クリック: 21回 この商品を含むブログ (14件) を見る 今年上半期に読んだ本のうち、最も読み応えがあったのがこの「江戸の読書会 会読の思想史」でし…

読書とBGM(後編)

昨日に続き読書と音楽(BGM)の話です。 前回は作品そのものにインスパイアされた音楽や映画のサントラをBGMにして小説を読む話を書きました。 補遺として、音楽が先にあり、それにインスパイアされた小説の代表として、村上龍の「ストレンジデイズ」を挙げ…

読書とBGM(前編)

こんにちは。 今日は読書の際に聴く音楽(BGM)についての話です。 私は小説やエッセイを読む場合、音楽を聴きながら本を読むことが多いのですが、その際に聴く音楽とのマッチングについて結構考えます。以下、マッチングについて考えていることを書きますが…