このところ連日、東京都知事の「疑惑」が報じられています。昨日、調査にあたった弁護士から「不適切」な支出はあるが「違法」ではないという報告がなされました。ニュースなどを視ていると、これが分かりにくいとどうも不評のようです。
しかし、「違法」という概念と「不適切」という概念は全く違うので、まずはこの二つを区別することが必要です。
「違法」という判断をするには、どの法律のどの点に該当し違法となるのかを明確にしなければならず、厳格な解釈と事実認定が必要とされます。これに対して「不適切」かどうかを判断する場合、厳格な認定の必要はなく、社会常識に照らした判断でよいという違いがあります。
もちろん、不適切な行為があまりにも多いと、知事としての適格性を問われても仕方ないでしょうが、その判断の前提として、違法な行為があったのか、不適切な行為であったのか、という区別をする必要はあるのではないでしょうか。