反逆の神話:カウンターカルチャーはいかにして消費文化になったか
- 作者: ジョセフ・ヒース,アンドルー・ポター,栗原百代
- 出版社/メーカー: エヌティティ出版
- 発売日: 2014/09/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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昨年の12月に読んだ本です。
副題の「カウンターカルチャーはいかにして消費文化になったか」が内容をよく表しています。
カウンターカルチャー的立場は、ルールを作ること自体に反逆していたのだが、その結果がろくなものにならなかったということが、豊富な例で実証されています。
ルールは全面撤廃するのではなく改良すべきだという本書の主張は、二昔、いや三昔前なら改良主義者として非難の嵐だったでしょうが、今やカウンターカルチャーのいう「自発的な調和」は神話に過ぎず、政府の必要性を直視しなければならないという主張は穏当なものです。
なお、新自由主義についてはこの本ではそれほど触れられていませんが、政府(による介入)の必要性を認めない点ではこのカウンターカルチャーの考え方と同じで、実際に左派から新自由主義に転向した方も多いのはまさに同じような理論的根拠があるのでしょう。
また「経済成長をするよう頑張ります」という考えてみれば当然の政府の方針を批判する、某新聞の論説委員の主張も根底には同じものがあるような気がします。