弁護士大久保康弘のブログ

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2016全日本男子FS全選手レビュー

全日本が終わってから2週間たってしまい、今さら感が強いのですが、個人用にフリーでの全選手の演技についてメモを作っていたので、今回公開することにします。今回は男子です。
 
第1グループ
中野紘輔  ベートーベンのピアノソナタなど。うどんを食べずに1番から見たが、なかなか着氷が安定しない。ステップも流れがなく、真似事みたいに見えた。
佐上凌  道とカサブランカ。3Lz+3T、2A、3Lo決め、流れもあり、なかなかよかった。これだけやってくれたら見てよかったと思う。3連続の最後がシングルになったのが残念だが、FSは120.42を出して11位だった。
鎌田英嗣 うーんジャンプがぬるい感じだったな。とりわけハーフループ3連続はキレを欠いたものになってしまった。最後も音楽からはみ出した。
吉野晃平 トスカ。SPのステップはきれいなものだったので期待した。冒頭に3A挑むが転倒。これが響いたか次のジャンプも失敗。しかしそこから持ち直した。ステップは丁寧だ。イーグルを見せてフィニッシュ。
中村智  ミスユー。2Aからスタート。3Lz2Tも決めたが3Fがパンクだ。動きはなかなかよかったが、2Aばかりになってしまった印象が。最後は音楽からはみ出した。
笹原景一郎 レジェンドオブフォールだが曲の編集はもっとテーマを早い段階で出してほしかった。3Aに挑むも転倒。3Lzは2回パンクしたが最後に成功。この選手も音楽からはみ出してしまつた。
 
第2グループ
川原星 ミッション。冒頭3A2Tを決める。さすがに第2グループだ。3Fは決まるが次の3Aは2Aになってしまった。前半はよく頑張ったが、後半の3Lo、3Lzと続けて転倒。最後はもう少し盛り上げて終わって欲しかった。しかし120.22とまずまずの得点でFSは12位。
中野曜司 もののけ姫。昔小塚君がロミオとジュリエットをやった時のような青紫の衣装。冒頭3A2Tが決まる。続けて3Aに挑むが転倒。3連続は決めた。
時國隼輔 座頭市。衣装は目立ちすぎだな。この曲、ステップをするのに向いているんだな。スピンはまずまずだったがジャンプはあまり良い出来ではなかった。盛り上がりに欠けて何となく終わったのが残念。
小田尚輝 サン=サーンス3番。3A2Tはセカンドまで少し間があったが何とか連続にした。3A単独も決まる。2A+3Tは綺麗に決まるが3Lo転倒。スピンはいいな。最後盛り上げるスピンでフィニッシュとまずまずの出来。
壷井達也 タンゴアモーレというのはエドウィンマートンの曲だが、よく曲にあった演技だった。よく動いていた。3連続もよかった。ステップも躍動感がある。ジュニアだが第1第2グループで初めてよかったと思った。これから有望。127.54でFSは8位だった。
木科雄登 チャイコフスキーバイオリン協奏曲。ジャンプ綺麗だな。3Loで転倒したため、3回転3回転はできなくなったが3連続と2A+2Tも決め、まずまずの演技だった。
 
第3グループ
須本光希 ベートーベンの悲愴。2Aから。続く3Fも決め、ジャンプは好調だったが後半転倒。3F3Tは決め、最後の3連続も決めた。さすが第3グループ。しかし浪速高校の選手は大学はどこに行くんだろう。117.63でFSは14位。
島田高志郎 ロミオとジュリエット。3Sからスタートし、続く3Lz3Tは素晴らしい。2Aも決めてスピン。脚が長くて映える。後半の3Lzを綺麗に決めて、物語の表現に入る。ロミジュリではひざまづいて愛を求めるポーズは必須だな。後半も2A+2T、2Lo、3Lo、3S+2Tと全部ジャンプを決めたが、物語の表現が素晴らしく、最後のスピンで拍手が鳴り止まない。演技を終えガッツポーズ。会場は昨年の札幌に続きスタオベ。137.52はFSでは6位。トータルでは200.18と7位で、200を超えたのは素晴らしい。
三宅星南 ナザレの子って昔ジョニーウィアーが演じた曲だな。コレオシークエンスから始まる。3A降りたが3Fはお手つき。変拍子が入るがよくこなしていた。5つ目まで単独だったが後半3Lz3T、2A3Tと決めた。最後は音楽からはみだした。126.50はFSでは9位。トータルでは9位。中村優 ムーランルージュ。冒頭3Aはステップアウト。3Lz+3Tは決めた。よく曲を表現していた。2つ目3Aは2Aになり、3Lz転倒は残念だったがその後3連続、2連続を決めた。会場もだんだん盛り上がってきたな。135.20はなかなかの得点でFSでは7位。、トータル202.16と6位。
本田太一 。冒頭3Aは転倒したがその後は立ち直り、2A+3T+2Tを決めるなど頑張った。ただラマンチャの男は、ジュニアに向く曲ではないと思う。
鈴木潤 ニューシネマパラダイス。冒頭3A転倒は仕方ないが3Loも転倒するなどジャンプ不調だった。後半は決めたが111.37とこのクラスではかなり低い点になってしまった。
 
最終グループ
佐藤洸彬 うーん昨日のSPはよかったが、最終グループのプレッシャーか、今日はジャンプ不調だったな。冒頭3A決めたと思ったがしかしセカンド2Tで着氷乱れ、それから3A、3Lzと回らない。後半最初の3Loも開いてしまった。決めたのが3F+2Tと最後の2Aくらいだ。
途中フィガロフィガロと連呼するところに合わせたスピンは見事だった。ステップで手拍子。FSは120.69で10位に終わる。トータル192.70は8位。
日野龍樹 キダム。冒頭3Lzからの3連続、3Lz3T、3A+2Tと決めた。前半の4つのジャンプは全て成功。後半の3Aは転倒したが2A、3Fは決めた。ジャンプのミスは一つにとどめて頑張る。全力を出し尽くした感があり、演技終了後中央に戻るのに時間がかかった。FSは151.66で4位。トータルは230.01で4位。
友野一希 パリのアメリカ人。素晴らしかった。冒頭4Sを見事に決め、3A、3F2Tも決めた。後半の3A2Tも見事。ジャンプで一つだけ3Sが抜け2回転になったががほぼ完璧に降りた。ステップも音によくあっており観客によくアピールしていた。渾身のガッツポーズ。FSは148.92で5位。トータルは216.55で5位。
田中刑事 フェリーニメドレー。冒頭4Sは綺麗に着氷。次に再度4Sを予定したが3Sにした。続く3Aは途中で開いて回らず両脚着氷になってしまったのが残念。ただその後は立ち直り、後半3F+3Tは綺麗に決め、3A+2T+2Loも決めた。3Lzは何とか堪えた。3S+2Tも決めた。音楽に合ったステップは見事で、最後にテンポが速くなるのだがこの部分もよく頑張った。終わって出し切ったという表情。FSは163.70と高い得点となった。トータル249.38でこの時点で首位に立ち表彰台確定。
無良崇人 うーん高得点を叩き出し宇野君ここまでこれるか、という展開を期待したのだが。前半、冒頭4T堪えて、4T+2T、3Aを立て続けに決めたときは優勝かと思ったが。後半の3Sを決めるまではよかったが、次の3Aで力が入りすぎたか開いて2Aになり、直後3Aに再度トライしたが着氷乱れてコンボにならず。ここがポイントだったか。その後は崩れてしまい、3Fも乱れコンボにならず、最後の3Lzもダブルになってしまった。うーんコンボは前半の一つだけか。前半よかったのにここまで崩れるとは本人も信じられないかもしれない。
演技終わって悔しい表情。帰って録画を観たら実況が「これが無良です」と言っていたが皮肉に聞こえてしまう。
なのか。FSは151.77で3位とはいうものの刑事より10点下で、日野とほとんど変わらない得点にとどまってしまった。トータルも242.11と田中刑事を上回ることができなかった。
宇野昌磨 さあ最終滑走。ここまで羽生の欠場もあって、今一つの男子フリーだったが、ここでドラマがあるとは。
冒頭4Fは着氷が乱れてしまいセカンドがつけられず、次の4Tも着氷が乱れ、3Loは決めた。後半、イーグルからの3Aも、さらに4Tも何とかこらえたがクリーンに着氷できず、5つ連続で単独になり、ラスト3つまで来てしまった。どうするんだろうと思ったが、そこからが3Lz+2T、3A+ループ+3S、最後は3S+3Tと、何と全部コンボにした。これは凄い。素晴らしい。良く頑張った。本人も演技後涙で、それはよく分かる。演技後の挨拶がジャッジの側からではなく反対からしてしまったが、それも全力を出し切ったドラマの構成要素の一つだ。FSは192.36と2位と30点近い差をつけた。トータル280.41で逆転優勝。