弁護士大久保康弘のブログ

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恩田陸と森見登美彦

1月に直木賞の発表があり、恩田陸須賀しのぶ森見登美彦垣根涼介冲方丁の5氏がノミネートされ、恩田陸さんが受賞しました。

恩田陸さんの作品は、少し前まではかなりよく読んでいたのですが(「ねじの回転」「月の裏側」「昨日の世界」など)、最近の作品については情報を得られていなかったのですが、よかったです。

 特に面白かったのが、「ねじの回転」です。

ねじの回転―February moment (上) (集英社文庫)

ねじの回転―February moment (上) (集英社文庫)

 

 

ねじの回転―February moment (下) (集英社文庫)

ねじの回転―February moment (下) (集英社文庫)

 

 「ねじの回転」は2.26事件を題材にしたタイムスリップ物で、なぜか似たような設定の話を宮部みゆきも書いていて(「蒲生邸事件」)、この2作とも石原完爾が重要な役で登場するという共通点もあります。この2作についてはいずれ改めて取り上げてみたいと思います。

 

一方、残念ながら受賞を逃した森見登美彦については、申し訳ないのですが、どうもあまり読む気がしません。なぜかというと、私も同じように学生生活を京都で送っており、ちゃんと読んでいないのですが、どうも同じようにだらだらした生活を送っている男子学生の話が多いようで、それならもう充分体験しているので、いまさら同じような話を読んでも仕方ないだろうという気がするからです。それに、同じような学生生活を送ってきた身からすれば、少し前のエントリにて取り上げた「ハローサマー・グッドバイ」を読むより森見登美彦の諸作を読む方がもっと恥ずかしい気持ちになる(だろう)からでした(「ハローサマー・グッドバイ」のような出来事を体験していれば恥ずかしいが、無かったので読んでも恥ずかしくないのです。あれを恥ずかしいというのはリア充ですね)。

 

 

さて今回の直木賞森見登美彦ノミネート作は、「夜行」。残念ながらまだ読んでいませんが、毎朝見ているめざましテレビでよくCМが流れています。

 

夜行

夜行

 

 

によれば、その内容は 

--僕らは誰も彼女のことを忘れられなかった。

 私たち六人は、京都で学生時代を過ごした仲間だった。
 十年前、鞍馬の火祭りを訪れた私たちの前から、長谷川さんは突然姿を消した

 

というもののようです。

 

先に述べたように、森見登美彦の作品は私が体験した学生生活と同じような話が多い(らしい)のですが、これも例外ではなく、私の学生時代の体験と重なるのでした。

 

私も学生時代に鞍馬の火祭を何人かの友人(男)と見に行ったことがあり、待っている間は寒かったのですが、たいまつが登場すると結構暑くなってきたのを覚えています。祭りが終わったので叡電で帰ろうとしたところ、一緒に行ったうちの一人が行方不明になってしまいました。

 

混雑しているので探し出せないし、まあ駅も近いので遭難することもないだろうと、見捨てて電車で帰りましたが、寒くなってきたので、途中の一乗寺の駅(ラーメン激戦区と言われる)で下車してラーメンでも食べて帰ろうということになり、一乗寺の駅で下車し、「天天有」というラーメン屋に入りました。

するとカウンターで、その行方不明になった友人が先にラーメンを食べていたのでした。

 

「夜行」もそういう話ではないかと思いますが、もし違っていたらすみません。