今日は朝一番で家庭裁判所に行った後、時間があったので事務所に戻る前に東洋陶磁美術館に行き「台北 国立故宮博物院-北宋汝窯青磁水仙盆」展を見てきました。昨年12月からの展示ですが、見落としており、先週ようやく情報が頭に入ってきて、26日といえば次の日曜日までじゃないかと気がつき、慌てて見に行くことにした次第です。
朝10時に開館で、私は10時過ぎに入館しましたが、一度平常展を見て再度特別展を見ようとしたら列ができていました。
特別展は、わずか6品の展示ですが、これが素晴らしい。6点はいずれも「青磁水仙盆」なので覚えて帰るのがなかなか難しいのですが、6点それぞれのネーミングが秀逸で、会場を後にしても記憶に残すことができました。
まずは、「人類史上最高のやきもの」。
青磁無紋水仙盆
せいじむもん すいせんぼん北宋汝窯青磁の伝世品における唯一無二の名品中の名品です。汝窯特有の「天青色(てんせいしょく)」の青味を帯びた釉は、瑪瑙の粉末を原料に用いていることが分かっています。なかでもこの作品は釉に貫入(かんにゅう)がほとんど見られず、明時代の文献に汝窯青磁の中で最も優れているとされる「無紋」のものに唯一該当するものです。
台北の國立故宮博物院が誇る「神品至宝」であり、日本初公開です。
「無紋」ってこれ以外にないのか!
実際に見てみると、やはりこれが飛び抜けて美しい。3番目に見るように展示されているのですが、その順番がよいのでしょう。
次は、「天青色の極み」。これも記憶に残るネーミングです。
口縁部には、清時代に宮廷でつくられた銅製の覆輪(ふくりん)装飾が施されています。
これは他のものより色が少し濃く、まさに「天青色の極み」というべき色合いを出しています。
次は「無銘の帝王」。底に乾隆帝の御製詩がないのでこの名を付けたのでしょうが、見事なネーミングです。
本作は先の「青磁無紋水仙盆」同様、やや大きめのサイズのもので、ほぼ完品です。釉色はやや青緑味を帯びています。
ここに挙げた以外の3点は、
「最大サイズの水仙盆」「伝世汝窯青磁の日本代表」「汝窯青磁水仙盆へのオマージュ」とネーミングされています。
この6点の特別展示を見た後、平常展の安宅コレクションを見ました。何度か見ているので、記憶に残るものとの再会が楽しい。まつげの長いトラに久しぶりに会うことが出来ました。