あまり知られていない寺社を訪ねるのが好きです。細い山道を歩き、ようやくそれらしい場所にたどり着き、山門をくぐった時の感慨はいつまでも記憶にとどめておきたいものです。
そんな思いから「隠れ社寺探訪記」と名付けたシリーズを始めることにしました。
第一回は奈良県大和郡山市の東明寺を取り上げます。訪問したのは昨日、2017年6月10日のことです。
寺院のウェブサイトがありますので貼り付けておきます。
通常は拝観には予約が必要なのですが、6月1日から15日までは予約なしで拝観できるということを、4月17日付日経新聞の夕刊で知りました
10日の土曜日は好天に恵まれたこともあり、訪ねてみることにしました。
場所はこの地図で分かるように、あじさいで有名な矢田寺に近く、法隆寺の北にある矢田丘陵の中腹に位置します。この矢田丘陵には、南から松尾寺、矢田寺、東明寺と3つの寺院があり、矢田寺まではバスも走っていますが、この東明寺へは途中の横山口で下車して30分以上歩かなければいけません。一応、寺までは車道があり駐車場もありますが、小型車で何とか行ける程度の道です。
歩いていく場合、途中までは民家もあり、それほどきつい登りではありませんが、最後の方は急な坂になります。
駐車場から少し上がると山門があります。ここへは石段が残りますが、写真でご覧の通り、かなり崩れかけているので注意が必要です。
山門を入ると整備された石段があり、そこを上がると本堂が見えてきます。
東明寺は高野山真言宗の寺院で、舎人親王の勅願寺、創建は持統天皇の御代693年とのこと。
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本堂内中央には、ご本尊である重文の薬師瑠璃光如来がおられます。平安時代のもの。結構インドの血が濃い如来様です。
その左右に毘沙門天と吉祥天立像。ふくよかな吉祥天です。
奥の別の間には、深沙大将と不動明王と役行者の像がありました。
小さい本堂ですが、見事な小宇宙を形成していました。
私が訪れた時は私一人だったので、この小宇宙を独占することができました。
本堂の全景はなかなか撮影が難しかったのですが、少し横から撮ると何とか全景が収まりました。
境内には鎌倉時代の七重の塔があります。
ここからは矢田寺に行く道(歩行者のみ)、があり、歩いて行かれる方もいらっしゃいましたが、私はここだけにして帰りました。
さてこのような限定公開の寺院や、場所が辺鄙なのであまり知られていない寺院も年の功でいろいろ訪れてきて、結構な数になりましたので、自分自身の覚書も兼ねて、このシリーズを続けていきたいと思います。