毎度、時期を逸した投稿で恥ずかしい次第ですが、今回は昨年、若くして亡くなられた瀧本哲史さんについて、これまで感じていたことを書きました。
なぜこのように遅れたかと言うと、なかなかこの本を読むことができなかったからです。
なぜ「僕は君たちに武器を配りたい」をなかなか読めなかったかというと、買わずに図書館で借りようとしたからです。予約したら10人待ちでした。買って置いておく本ではないだろうと思っていたからですが。
で、この本の感想ですが、「武器を与えたい」とあるので具体的なツールが各種取り揃えられているかと思いきや、
「生き残るためには、「スペシャりティ」な人間になること。「唯一の人」になれ」「「ものづくり」にはこだわるな!国に頼るな!」
など精神論が多く、これでは配っているのはのは武器じゃなくて「戦陣訓」あるいは「軍人手帳」じゃないかと思いました。でも「僕は君たちに戦陣訓を配りたい」では売れないでしょうが。
そもそもこの本によれば、資本主義は避けられない、だから何々すべきだと思う、とあります。
しかし資本主義と言っても色々あります。少なくとも、グローバル資本主義と、トランプ流保護主義は同じ資本主義と言っても全く違うものでしょう。あたかもグローバル資本主義が避けられないかのような前提は誤導です。
そして今日、グローバル資本主義の問題点がいろいろ出ています。
例えばこのような記事。書くのが遅くなっている間に出たものです。
https://www.metafilter.com/185465/How-McKinsey-Destroyed-the-Middle-Class
マッキンゼーが格差を拡大し、中間層が没落したという内容です。マッキンゼーのようなグローバル資本主義の尖兵には、今後、このような方向での評価が出てくるでしょう。
瀧本さんは非常に優秀だったようですが、ならば戦場にいることを疑いもせずに武器を配るのではなく、戦争をやめるような方向での思考は出来なかったのか、と思います。多分、そちらの方向に向かった可能性高いのではないでしょうか。その意味で早世が惜しまれます。