CANのボーカルであった、ダモ鈴木氏が亡くなりました。
活動している時にリアルタイムでほとんど聴いたことがなく、後追いでしか聴いていませんが、ダモ鈴木時代の3枚のアルバムを改めて聴いてみたいと思います。
鳥の囀りで始まり、ダモのダミ声のボーカルが入ってきます。
マッシュルームはダモの単調な呟きから、いきなりがなりたて、ギターが随伴します。
雷鳴が轟き、雨が降ってきてオーイエーになり、ダモの日本語が響きます。単調なリズムが加速します。
ハルワウはアルバムB面全てを使った大作ですが、前のめりだが単調なリズムに乗り、ダモの唸り声が響きます。ラストはダモの言葉にならない歌で終わります。
C面は何と読むか良く分からないオームン。これも17分ある大作。CDだと続けて聴かないといけないのがちょっとつらい。
D面はペキンオーという、曲の構造をなしていない曲。ダモの唸りが叫びになり、投げつけられる。3分くらいから一応曲らしくなりますが、後半は何を言ってるか分からない喚き。
ラストにブリングミーコーヒーオアティーという、前の曲からしたらまだ曲らしい曲だが無茶なミックスの曲で終わります。
このアルバムはファンク風な曲でダモが囁いたり唸ったりするピンチという9分半の曲で始まります。水の流れる音からシングスワンソングが始まりダモのお経のようなボーカルが流れてきます。
続くワンモアナイトは7拍子の単調な曲にダモの気怠い呟きボーカルが乗りそのまま最後まで。
ビタミンCも同じように単調なリズムの曲ですが、ダモは声を張り上げるのが前の曲と違います。よくわからない電子ノイズで続くスープが始まります。ダモは絶叫調でギターとキーボードが流れる液体のように響きます。途中からテンポが変わり加速しますが5分半あたりで加速が止まりカオス状態に。ノイズが支配しダモの何言ってるかわからない呻きが入り、フリーキーに終わる。
アイムソーグリーンは一転普通のエイトビートにダモの捻れた歌が乗りギターも普通のロックに近いフレーズを奏でます。
スプーンはリズムボックスで始まり、ダモの囁きボーカルの後、比較的ちゃんとしたメロディを歌っています。シンセが響き、同じメロディが繰り返され、フェイドアウト。
このアルバムは全般にダモのボーカルが大活躍で、囁き、唸り、叫びなど、いろいろな技法が駆使されています。
フューチャーデイズは
このアルバムは前作と異なりダモは囁きボーカルばかり。
フューチャーデイズは9分。
ボサノバみたいなリズムで気怠い囁きボーカル。
スプレイも8分あり、静かに始まりシンセが響いてきます。何かが始まる予感がありますが、始まらないまま、そのまま流れていき、ようやく6分過ぎからダモの普通ボーカルが入ってきます。
ムーンシェイクは、エイトビートのリズムにダモの囁きボーカルが乗ります。同じメロディの繰り返し。途中で効果音も入ります。またメロディが繰り返しになりますがされフェイドアウトで終わります。
ラストは19分の大作ベルエア。
冒頭は気怠い幸福感があるパートで、ダモのボーカルはかわいい声を出しています。
4分過ぎにこの気怠いパートから、かなり躍動感があるパートになり、6分40秒くらいからほぼドラムだけになります。
9分過ぎに演奏が消えバックグラウンドの鳥の声だけになります。
再度演奏が入ってくると、ボーカルは同じだが違う演奏になり、ほどなくして、ボーカルは消えます。
14分くらいからは神経質なホルガーシューカイのベースの反復に煽られドラムもヒートアップします。
18分くらいで全ての演奏が消え、30秒くらい沈黙の後、また演奏が入ってきてテーマを反復しますが、しばらく続いた後、静かに演奏をやめて曲が終わります。
今回、この3作を集中的に聞いてみると、最初の2作はダモのボーカルが七変化しますが、フューチャーデイズでは囁きばかりになって、またボーカルパートも少なくなり、このアルバム製作中に脱退したのも仕方ないかなという感じでした。
最後に、この3作を残してくれたダモ鈴木に感謝します。ご冥福をお祈りします。