弁護士大久保康弘のブログ

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奈良国立博物館 聖林寺十一面観音 三輪山信仰のみほとけ

奈良国立博物館聖林寺十一面観音 三輪山信仰のみほとけ」展を見ました。

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奈良国立博物館の展示としては展示物は少なかったのですが、十一面観音を見ることができれば大満足です。

この十一面観音はこれまで何度か見ていますが、私のような素人でもその素晴らしさ、美しさが分かるものでした。久しぶりに対面できて嬉しいです。

この十一面観音は、明治維新前は大神神社の神宮寺であった大御輪寺に安置されていましたが、大御輪寺が廃仏毀釈の嵐により廃寺となり、そこに安置されていた仏像は他の寺に移されました。
十一面観音は聖林寺へ移されましたが、同様に大御輪寺から移された仏像に地蔵菩薩と日光月光菩薩があり、今回同時に展示されていました。約150年ぶりの再会だそうです。
なお大御輪寺は大直禰󠄀子神社として今も大神神社の境内に残ります。

また毎年恒例の「特集展示 お水取り」も見てきました。これも何回目かになります。

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この日は国立博物館以外に、東大寺ミュージアムと大仏殿に行ったのですが、戒壇院が工事中で拝観できない代わりに、隣の千手堂が特別公開されていると知ったので行ってみました。

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ここには千手観音と四天王が安置されています。

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小さなお堂でしたが、この日は博物館中心だったのでお堂で仏像を見ることができて心が落ち着いた感じがして良かったです。


追悼 西村賢太

Amazon小説家の西村賢太氏が亡くなりました。突然の訃報だったので驚いています。


どうしようもない自分、を描く私小説の系譜を継ぐ者として、もしかしたら最後になるかもしれない存在でした。


時折、思い出したように西村氏の小説を読みたくなることがあります。


彼の小説は、悲惨な状況を描いていても、なんとも言えないおかしみがあるところが好きでした。

その代表例として、「肩先に花の香りを残す人」という作品があります。

題名からすれば、何か優雅な感じがするのですが、実は主人公が匂いに人一倍敏感であったせいで、同棲していた彼女と香りのせいで喧嘩になる、という話でした。

題名のおかしさと言えば、処女作である「けがれなき酒のへど」もそうです。これも作者の妙なこだわりが独特のおかしみを醸し出しています。


西村は、「苦役列車」で芥川賞を受賞しましたが、私はこの作品は評価していません。単純に辛いだけの日々を綴っており、先ほどから書いている「おかしみ」がない単純な作品で、あまり面白くなかったからです。


代表作は先ほど触れた「けがれなき酒のへど、「どうで死ぬ身の一踊り」というところでしょうか。



まだまだ小説を書き続けてほしかったので、とても残念です。




東淀川区役所で法律相談

2月3日は久しぶりの法律相談で東淀川区役所に行きました。


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ここは初めてではないのですが、前に来たのがいつだったか覚えていないくらいで、行き方も覚えていませんでした。

コロナ禍以降、法律相談がかなり減っているのですが、顔を見て法律をすることによりできるご縁もあるので、そのご縁を大切にしたいものです。

全日本フィギュア2021

無事開催されたフィギュアスケート全日本選手権。土曜日の女子SPとアイスダンスフリーだけでしたが生観戦できました。
ショートサイドでしたが前から13列ぐらいの席で、出入り口に近くてなかなかの良席でした。

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会場に到着したら男子最終グループの練習中でした。
じきに羽生くんの曲かけが始まり、4Aの練習もたっぷり見ることができました。
男子の練習はあまり意識していなかったので嬉しいサプライズでした。

続いてはアイスダンス。リズムダンスでの約5点差をひっくり返すのはさすがに難しく小松原組の逃げ切り、優勝となりました。

さて女子前半グループ。第1滑走の大庭雅タイタニックが印象に残りました。


第2グループ最終は吉田陽菜で、先に席を立つ人がいたのですがこれは見ないと。3Aを見ることができました。
今回は出入り口に近い席だったので第2グループの終了後スープカレーを食べて無事第3グループ練習前に席に戻ることができました。

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第3グループでは、渡辺倫果が3A決める素晴らしい演技でフリーだけなら4位、待望の新星登場となりました。あとは住吉りをんの4T挑戦も素晴らしかった。

最終グループは、第1滑走の松生は緊張のためか冒頭から2つミスが続ました。
続く三原舞依は、途中まではとても良かったのですが、後半最初の2Aがシングルになってしまい、その後シングルをつけてしまったため、その後跳んだコンビネーションがキックアウトされてしまいました。133.20はフリーだけなら5位。

宮原は前半は良かったのですが、後半はスタンドから見ていても回転不足が目立つ残念な出来でした。132.75はフリーだけなら6位。

河辺愛菜は何と言っても3A着氷が大きい。NHK杯のSP、フリー、全日本のSPに続きフリーでも成功。これで乗れるか、と思ったら続く3Lz3Tが2Tに。その後もジャンプは不安定だったが後半、2A3T2Tを決め、そして続く3Fに3Tをつけることができ、これがもの凄く大きく、3位争いの明暗を分けるポイントになりました。135.38とフリーだけで三原舞依を2.18点上回りました。


樋口は、3Aは認定されたが着氷乱れマイナス。ただその後は3Lo3Tが回転不足になった以外は時々あるパンクもなく良い出来で、最後は自信に溢れた演技でした。147.12

坂本 冒頭からダイナミックな演技で全てプラス評価。難しいプログラムをうまくこなして堂々のフィニッシュ。154.83とただ一人150点台。会場全員がスタオベ。

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帰りは知人がさいたま新都心駅の駅ピアノを弾くというので早めに会場を出ました。前日の羽生くんのSP曲、「序奏とロンド・カプリチオーソ」のピアノソロバージョンをリクエストしましたが、見事に弾きこなしてくれて感動しました。






2021年の終わりに

今年は前年からのコロナ禍がある程度収まったものの、秋まで行動制限が続き、なかなか動けない日々が続き、グランプリファイナルが中止になったりする中、2月に突発性難聴になるなど個人的にも順調さを欠いていました。

そんな中、12月には2年振りに東京に行きフィギュアスケート全日本選手権を見ることができ、ようやく良い流れができてきました。

晦日は例年と同じように読書で過ごしました。今年は新約聖書。ラザロの復活のシーンが出てきたときにはおお、これが、と思いました。


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これで今年も200冊読むことができました。


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それでは、また来年。良いお年をお迎えください。



歳を重ね痛切に感じる小説 谷川直子「あなたがはいというから」朝倉かすみ「平場の月」

年齢を重ねないと分からないことがあります。早く目が覚め過ぎることなど、ほんの少し前には自分がそうなるとは思いもよらなかったことです。目が覚めても寝足りないわけですから、その分をどこかで補わないと辛い。昼食の後は眠るようにしていますが、電話で起こされる時もあり、なかなか帳尻合わせは難しい。
このように年齢を重ねて分かるのは、中年以降の人物を主人公にした小説も同じです。最近読んだ2冊の小説もそのようなものでした。
まずは谷川直子「あなたがはいというから」。
大学時代に恋人だった2人が、37年振りに再会し、という話ですが、つまり主人公は60歳なのですね。
再会して気持ちが通じ合うのですが、かなり苦いものがあります。パリに行く場面があるのですが、これは小説の読ませどころというよりも、作者から主人公たちへの花向けのように思います。

もう一冊は、朝倉かすみの「平場の月」。こちらは中学時代の同級生に50歳手前で再会する話。中学時代に男子から付き合ってと言ったものの、「いやです」「だれともいやなので」と言われ、そのままになっていたが35年振りに再会して、その後、というもの。こちらは「あなたがはいというから」に比べてかなり地味な展開ですが、それだけによりリアルです。
主人公の男性(青砥)と女性(須藤)は別れてしまいますが、それは、青砥が、「須藤、一緒にならないか」と言ってしまったから。これに対し須藤は、「それ言っちゃあかんやつ」と言うのです。
この須藤という人物の勁さに胸を打たれます。