弁護士大久保康弘のブログ

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ディラン受賞記念その3 ライク・ア・ローリング・ストーンを意訳する

ディラン受賞のエントリ第3弾として、「ライクアローリングストーン」を自分勝手な解釈で意訳してみました。

 

追憶のハイウェイ61(紙ジャケット仕様)

追憶のハイウェイ61(紙ジャケット仕様)

 

 

 

普通の訳ではないので、この言葉は抜けてるとかそんな意味はないとか言わないで下さい(ここはこの方がいいんじゃないかな、というご意見であれば承ります)。

この曲は、一般には「昔金持ちだったが顚落した娘」について歌ったものと思われています。表面的にはそうでしょう。

でも考えてみて下さい。ディランがそんなことを歌いたいと思うでしょうか(まあその頃そんな娘に振られたのであれば話は別ですが)?
この曲は6分以上あり、歌詞も長いのですが、それだけこの曲に託して歌いたいことがあったに違いないと思うのですが、それが、「昔金持ちだったが顚落した娘」のこととは到底思えないのです。
では、「昔金持ちだった娘」とは誰なのか。それは昔のディラン、あるいは教条的なフォークファンではないでしょうか。
 
 
 

ちょっと前には、僕は着飾ってフォークのプリンスだと言われ

偉そうに小銭を投げる奴らの前で歌っていた俺だが

 みんな「気をつけろ、ロックをやるのは堕落だ」と言って笑ってたけど

でも大きな声で言われることが

偉いとか正しいとか思えないんだ

まあ今後は食い物に困るかも知れないが

 

どんな気持ちだい?

それまで築いた地位も名声もなく

全く無名で

転がっていくのは

 

いい学校に行っても意味がない

それからこき使われるだけじゃね

誰もストリートの生き方を教えてくれなかったけど

まあ慣れなきゃね

妥協せずに

これからやろうとしていることには

アリバイなんかいらない

取引もいらない

 

どんな気持ちだい?

自分の内なる声にしたがって

戻ることなく

全く無名の立場から

ロックしていくのは

  

手品師や道化師が

やってきてあんたらをだます

他人をけしかけて攻撃する

外交官と一緒に銅の馬に乗って

シャム猫を肩に乗せて

盗めるものは何でも盗んで

思い出すのは難しいけど

 

どんな気持ちだい?

自分の内なる声にしたがって

戻ることなく

誰も知らない場所から

ロックしていくのは

 

搭の上にはお姫様がいて

飲んだり議論したりしてうまくやっていた

同じような曲を互いにやっていたが

でもそれはもう質屋に入れるべきだね

俺は身なりはボロだがナポレオンのような世界精神だ

ロックが呼んでいる

その声に俺はあらがえない

もう何もなくすものはない

それで初めて何かが得られる

もうみえない存在になったから

何も隠さずにいられる

 

 どんな気持ちだい?

 もう戻る場所はないんだ

退路を断って

転がる石のようにロックし続けるしかない