弁護士大久保康弘のブログ

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フィギュアスケート2018世界選手権男子

フィギュアスケート世界選手権のレビュー、続いては男子です。女子と同じようにトピック形式で。

 

<欠場者が多かった大会> 

五輪後の世界選手権ということで欠場者が多いということでは同じですが、有力選手の欠場は女子より男子の方が多く、五輪メダリストの羽生選手とフェルナンデスが欠場、他にもアダムリッポン、パトリック・チャンなど欠場者が目立ちました。メダルを取ったフェルナンデスはともかく、先日引退を表明したパトリック・チャンには出てほしかったですね。ボーヤン・ジンとコリヤダは出場し、上位に入ることが予想されましたが、優勝争いは宇野選手とネイサン・チェンの一騎打ち、という予想でした。

 

<日本の3枠なるか>

しかし、試合の直前になって、宇野選手が足の甲を痛めているという情報が届きました。あるいは欠場か、とも一時言われており、日本の3枠確保は視界不良となってしまいました。

世界選手権は次年度の最大3枠を得られるかどうかという戦いでもあり、五輪後の大会ではこの枠取りが重要になってきます。日本は絶対的エースを欠いても宇野君がいるから大丈夫と思っていたらまさかの不安となりました。残る2人ですが、田中刑事はうまく行って10位くらいというところ、また羽生選手の欠場で急遽出場が決まった友野選手は全く未知数。

しかしそんな友野選手が救世主となるのですからフィギュアスケートは面白い。

 

<友野選手の戦い>

SPの前には、ものすごく緊張しており、世界選手権は怖いとまで思っていたようですが、シニアでの国際大会はNHK杯くらいしか経験がないのでこれは仕方ないでしょう。そのSPは4S、3Aを綺麗に決めました。世界選手権初出場ながらSPで11位は堂々たるもの。

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このSPの結果が自信となり、これはやれる、と本人も思ったのか、フリーでは4Tを2本決めて堂々たる演技。ウエストサイド物語のクライマックスに向けて盛り上げる演技も素晴らしく、何と最終順位は5位。友人によれば友野君は「持っている」らしいのですが、その通りだと思いました。

 

<ロシアとアメリカも3枠>

またロシアとアメリカも3枠を取りました。

ロシアの男子は長年プルシェンコを超えるスケーターが出ず、そのくせプルシェンコが世界選手権に出ないシーズンが続いていたのでなかなか3枠が取れませんでしたが、SPで100をコンスタントに出すコリヤダの登場で久々の3枠。

また、アメリカはSP終了時点で最終グループに2人が入っていたので3枠は楽勝か、と思ったのですが、フリーではまさかのジョウの不調。何と最終グループから14位という結果。これでは2枠に減ってしまう、と思いきや、実は第三の男であるマックス・アーロンが地道に頑張って11位に入り、3枠を確保したのでした。

 

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これは2014年の世界選手権の時のものです。

  

<宇野選手の戦い>

さて優勝候補でありながら足の甲の痛みでジャンプが不調になってしまった宇野選手ですが、SPは難度を落とした構成にしたのに3S+3Tがうまく決まらず途中でターンが入りセカンドが2Tになるなど、ジャンプでミスが目立ち5位。きれいに決まっていた4回転を3回転にするのは、なかなか感覚がつかめず逆に難しいのでしょう。

 

宇野選手の凄さを感じたのは2016年の全日本でした。SPで2位、フリーでもなかなかきれいにジャンプが着氷できず、ラスト3本まで全くコンビネーションにはできなかったのですが、そこからが怒涛の3本連続コンビネーション。このようにとにかく追い込まれたときに信じられない強さを発揮するのが彼の真骨頂。

今回も冒頭から3つ転倒してしまい、全くコンボにできなかったのですが、ラストでコンボをつけて驚異の追い込み。素晴らしい粘りで2位。

 

一方のネイサン・チェンはSPからのびのびとした印象で、フリーではやれるだけやってやると決めたのか、冒頭から6連続4回転という超高難度の構成。最後の  こそ着氷がみだれましたが4回転としては成功。このネイサンチェンのフリーは、来シーズンから男子の時間が短縮されてジャンプの数も減ることになると思われますので、この構成を見られるのは今回が最後かも知れません。

 

これで今シーズンは終了。しばらくは試合がなくて寂しい日々を送ることになります。