今回は大阪のディープサウスを舞台にした2作を紹介します。
有栖川有栖の「幻坂」と「阪堺電車177号の追憶」の2作です。
「幻坂」は、大坂の千日前通より南の、谷町と松屋町筋を結ぶ天王寺七坂を舞台にした怪談集です。
この本の巻末近くに掲載されている地図がわかりやすいので貼り付けます。
この作品を読んでいるうちに、天王寺七坂を訪ねてみたくなり、行って写真を撮ってきました。
最後の逢坂も、石碑があるのですがそれを入れると坂が入らなくなるのでこの写真にしました。
このように、拡張されて国道の一部となった逢坂を除きいずれも風情のある歴史を感じさせる坂道です。
「幻坂」はこの風情ある坂をそれぞれの短編の舞台にしました。紀行エッセイなどを得意としている有栖川有栖ならではの作品となっています。
さてこの逢坂から少し西に行くと阪堺電車の始発駅である恵美須町に着きます。
阪堺電車は恵美須町と天王寺駅前の2か所を始発として、住吉で合流し、浜寺駅前まで行く路面電車です(一部専用軌道も走ります)。
この阪堺電車を舞台とした連作短編集がこちら。
こちらは阪堺電車の車内で読んでみました。
177号は廃車になってしまいましたが、同じ金太郎塗装の505号に出会うことができました。
この阪堺電車は高校生の時には通学で毎日乗っていたものですが、実家も引っ越し今ではあまり乗ることはありません。この週には花田口電停の近くで中学の同窓会の幹事会があり乗る予定が分かっていたのでこの本を持って読みながら乗ることができました。