音楽評論家の松村雄策氏が亡くなりました。70歳でした。
松村雄策はロッキングオンから出た方で、同誌の創刊メンバーは渋谷陽一、橘川幸夫、岩谷宏、松村雄作の4名でしたが、それぞれの個性がかなり異なり、実行の渋谷、センスの橘川、思想の岩谷、愛情の松村、というように違うカラーがありました。
ところで音楽評論には、「ロキノン文体」というのがあり、以前当ブログでも
https://okubolaw.hatenablog.com/entry/2017/05/17/230247
として取り上げました。
前記の4人の中で、松村雄策の文章は、まさにロキノン文体でした。
この人の面白いところは、好きなバンドやミュージシャンについて、好きだ好きだ、というだけの内容でしかないのに、実に読ませるものになっているところです。
特にビートルズ関係の著作は、まさにビートルズへの愛を語るだけで、分析などはないにも関わらず、読ませるものになっています。
最近読んだのはこの本。
これはビートルズに限らず、ドアーズやジャックスなどを取り上げていますが、大好きが溢れた著作となっていました。
御冥福をお祈りします。