弁護士大久保康弘のブログ

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「ジニのパズル」

 最近の本をあまり読まない私にとっては珍しく、今年出た本を読みました。

ジニのパズル

ジニのパズル

 

 冒頭はアメリカ・オレゴン州。主人公はホームステイをしてアメリカの高校に通っているので、かなりお金がある家の女の子のようです。オレゴンには、映画「スタンド・バイ・ミー」で少年達が歩いた鉄橋があるそうです。

ここでジニは5年前のことを思い出す。5年前は中学1年生で、日本の小学校から朝鮮学校に進学したばかりで、一人だけ朝鮮語が分からない。しかし何で親は朝鮮学校に進学させたのだろうか。詳細が分からない。

途中、「父からの手紙」が3通挿入される。父からエリンへということだが、エリンというのはジニの母親のようだ。つまりジニからすれば父ではなく祖父になる。父は北朝鮮で苛酷な運命をたどることになるが詳細は明かされない。

 

ジニは朝鮮学校の中でも居場所がなく、ミサイル発射の日はチマチョゴリで通学したためひどい目に合ってしまう(他の生徒は体操服で通学した)。そして金日成金正日肖像画を投げ捨て、たった一人の革命を起こして、その結果アメリカに行くことになるのだろうが、そのあたりの経緯がよく分からないのがもどかしい。

 

 うーん、面白さとしてはまずまずといったところで、ものすごく面白かったとか引き込まれたというわけではない。「詳細が分からない」「経緯がよく分からない」と書いたところがもう少し分かればもう少し納得がいったと思う。