日曜日の朝刊で松本雄吉氏の訃報に接し、ショックを受けています。
このブログでは、私がこれまで体験した維新派の公演を辿ることにより、追悼の意を表したいと思います。
私が維新派の公演を体験したのは、1998年の「王國」が初めてでした。
ある情報誌に、維新派が取り上げられており、何もない場所に一から舞台を作り上げ、撤収する野外劇、というほんの小さい記事でしたが、なぜか気になり、見に行くことにしました。
コスモスクエア駅を降りて、空き地ばかりの、街灯もほとんどない埋立地を10分くらい歩き、ようやく会場らしき場所に着きました。
会場の手前に、屋台らしきものが出ています。舞台は仮設とはいえ相当広いもので、野外なのでより広がりを感じます。
オープニングは、林立する丸太の上に役者さんが乗るというもので、これだけで「おー」と唸らされました。
ストーリーは、あり得ないというか、あり得た大阪の地下世界を少年タケルが巡るというもので、いろいろよく分からない動物や植物が出てきます。異世界を堪能しているうちに、最後におおたか静流の歌が流れて幕(はないですが)。
続く1999年の「水街」。
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これもタケルが出てきます。水上の家や舟の家など、水に暮らす一族の物語で、最後には舞台が一面の水になりました。この作品までは、セリフも普通のもので、話の流れもあったので、この頃の維新派を体験できたことにより、その後の「喋らない台詞、歌わない音楽、踊らない踊り」への変化を体験できたのは幸いでした。
そして2000年の「流星」。
ここに至っては、登場人物に名前がなくなり、またセリフも一般的なものではなく喋らない台詞に近くなりました。そして何といってもクライマックスでの「おーーーーい!」という、そのただ一言の叫び。その一言が全てを物語るという舞台で、独自性がより強烈なものになっていました。
次回に続きます。