弁護士大久保康弘のブログ

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藤田美術館 ザ・コレクション

藤田美術館大阪城の北、大川の近くにあり、JR東西線大阪城北詰からすぐのところにあります。

地味な印象の小規模な美術館なので、私もこれまで一度しか訪れていませんでしたが、収蔵品は国宝も多くかなりのもので、また先日ニューヨークでオークションに出された中国美術の優品なども所蔵していました。オークションはNHKで特集番組が放映されており、偶然見ることができました。

今回、そのオークションの売り上げにより改修・改装するということで、しばらく休館になりますが、その前に開かれた展覧会が今回の「ザ・コレクション」です。

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前後期に分けての展示となっていましたが、私が見たのは後期でした。

その前に隣というか、本来は同じ藤田邸の一部であった旧藤田庭園を訪れてみました。

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静かで良いところでしたがかなり暑く、水のあるところでは水を抜いていたのでよけいに暑く感じました。

美術館の一角には多宝塔があります。

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さていよいよ展示室へ。

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後期の展示では国宝は4点見ることができました。前期には別の国宝が5点出ていたので、前期にもくればよかったと思いました。

今回の国宝、仏功徳蒔絵経箱。

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そして玄奘三蔵絵巻。以前、奈良国立博物館で全館展示があった際にも見たものです。天竺へ向かう途中の風景は、全くの想像ですが大雪の峠など、なかなか面白く見たのを覚えています。

巻き替えがあり、この日には5巻が展示されていました。荒れ果ててしまった祇園精舎を訪れる場面ですが、そういえば狐が2匹、仲良く遊んでいたなあと思って見てみると、いました。

下の画像には入っていませんが、この左の方に狐はいます。

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さらに紫式部絵詞も国宝です。

そしてやはりハイライトは曜変天目茶碗。地上のものとは思えない、宇宙的な光沢に引き付けられます。

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とにかくこれを見るだけでも行く価値はあります。

6月4日まで。

須賀しのぶ「芙蓉千里」3部作

今回はハルビンとシベリアを舞台にした、須賀しのぶの「芙蓉千里」3部作を取り上げます。

満州の北部の都市、ハルビンには約30年前に一度だけ行ったことがあります。

神戸から上海へ、2泊3日の航海をする「鑑真号」という船が出ていて、お金はないが暇はあるので安くどこかへ行けないかと考える若者が多く乗っていました。私もこの鑑真号で中国に行くことにしたのでした。今は新鑑真号となって神戸または大阪から上海までの航海を続けているようです。

船上で、中国旅行社の出店があり、そこで切符をテーブルの上に並べて売っていました。満州方面に行きたかったのでいろいろ見ていると、上海-ハルビンの航空券があったので、じゃあこれに乗ってハルビンまで行き長春、シェンヤンと旧満鉄路線を南下することにしようと思い、航空券を買いました。

そして2日後に上海に着きました。バンドを歩き、豫園に行き、おこげを食べて和平飯店で老人ジャズバンドをドイツ人と聴き、翌日航空機でハルビンまで飛んだのでした。

ハルビンはかなり北にありますが、よく晴れた9月のハルビンは暑く、太陽島というリゾート地に船で渡ったり街をぶらぶらしていました。夕食はよく分からない地元の食堂に行き、兌換券で支払うとえらく喜ばれました。ロシア風の街並みと言われていましたが、そこはいまひとつよく分からず、上海の旧市街とあまり違わない印象を受けました。

 

そのハルビンを舞台とする「芙蓉千里」を読んだのは、第一部の文庫版をブックオフでふと手に取ったことがきっかけでした。それまでこの著者の名前は聞いたことがなかったのですが、なぜか惹かれるものがあったのでしょう。少し立ち読みすると、ハルビンを舞台にしたものということで、それなら読んでみようと思い入手したのでした。

しばらくはそのままになっていたのですが、この作者の近作である「また、桜の国で」が156回直木賞候補になったことを知り、力量のある作家と認められていることが分かり、自分の直感も捨てたものではないと思いました。

この巻で完結したと思っていましたが、図書館のサイトで検索すると続編があることが分かったので2、3は借りて読みました。

 

全3冊と思っていたのですが、文庫では4冊になっていました。

 

 

芙蓉千里 (角川文庫)

芙蓉千里 (角川文庫)

 

フミという女主人公が大陸一の売れっ子女郎を目指す、というなんじゃそれは的な冒頭部ですが、このフミには越後獅子に渡り、ハルビン一の女郎になることを目指すという設定ですが、最後には馬賊になりモンゴル独立運動にかかわったりと波乱万丈の冒険小説です。

幼いころから仕込まれた角兵衛獅子が心の支えになり、また第二部の重要なポイントにもなっています。

 

北の舞姫 芙蓉千里II (角川文庫)

北の舞姫 芙蓉千里II (角川文庫)

 

この北の舞姫とはフミのことです。

舞の名手として人気を博したフミですが、この巻のラストでとんでもない舞を見せ、しかし舞を捨ててしまいます。

そしてフミは馬賊の一員としてモンゴル独立運動やシベリア共和国などとかかわることになります。

暁の兄弟 芙蓉千里III (角川文庫)

暁の兄弟 芙蓉千里III (角川文庫)

 

 そしてフミの人生は一つの極点に達し、クライマックスを迎えます。

永遠の曠野 芙蓉千里IV (角川文庫)

永遠の曠野 芙蓉千里IV (角川文庫)

 

エピローグはなかなか面白く、えっ、こいつとこいつがこうなるのか、という驚きの結末でした。

 

単行本2、3巻の表紙も捨てがたいので貼っておきます。

 

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 早くこの作者の他の本も読んでみたいと思います。

 

 

木×仏像@大阪市立美術館 

大阪市立美術館に木×仏像展を見に行きました。

天王寺公園の一角にあり、公式なアクセスは天王寺しか出てきませんが、地下鉄の恵比須町、動物園前からも行けます。

土曜日の3時半ころに行きましたが、空いていてじっくり拝観することができました。

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とにかく木の仏像をコレクションしました、という展覧会で、先日観た快慶展のような作風の統一感はなかったのですが、木の仏像というテーマなので質感は統一されており、楽しく見ることができました。

 

まずは飛鳥時代の木の仏像。この頃の特徴的な顔と体型です。妖精のような感じがあります。

 

 

 

東大寺弥勒如来坐像。「試みの大仏」と呼ばれています。今回では唯一の国宝でした。

「東大寺弥勒菩薩坐像 試みの大仏」の画像検索結果

ただこの弥勒菩薩、ぎょろっとした目がサイズが小さい像だとちょっときつい感じがします。

 

公式サイトに写真が載っているのが唐招提寺薬師如来立像。ただ私はこの像より、50番の江戸時代の薬師如来の方がよりなまめかしくて好きです。

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四天王寺阿弥陀三尊像は脇侍が2体とも片足を後ろにはね上げるポーズをとっているのがバックダンサーみたいで面白いですね。

関連画像

 

西往寺の宝誌和尚立像は京都国立博物館で見たことがあります。顔が割れるという表現を思いついたのが凄いですね。

ただ中から出てくるのが、観音ということまでは分かりますが、なぜ十一面と分かるのでしょうか。

 

またコンパクトな箱入り仏像が2つ。その一つが下の閻魔大王(正明寺)です。 

 

 

第2展示室は持国天多聞天が並び奥に四天王がずらりと並ぶなど、迫力ある展示になっていました。

入り口の左右にある、河合寺の持国天多聞天はど迫力。

そして一番奥はこんな感じ。

 

櫟野寺の細い仏像が3体。この観音菩薩立像は去年の東博で見ました。

 

 

 

このたれ目の像と対照的な吊り目の観音菩薩立像も櫟野寺から。

 

 

あと、印象に残ったのは

 

太山寺 普賢菩薩騎象像です。

「太山寺 普賢菩薩」の画像検索結果

 

細密さでは本日随一の像で、彩色もよく残っていました。

また太山寺からは、あまり怒っていない不動明王(もちろん磨崖仏ではありません)も来ていました。

 

大門寺 蔵王権現立像は3体のそろい踏み。例のポーズを揃えて決めます。

「大門寺 蔵王権現」の画像検索結果

 

最後は円空仏。

 

とにかくひたすら仏像を堪能できる展覧会でした。

 

同時開催の2階のコレクション展「仏画×風景」もなかなか楽しめるものでしたので、行かれた方はぜひこちらも見られることをお勧めします。

6月4日まで。

ロキノン系文体ー「 ロッキング・オンの時代」と又吉直樹「第二図書係補佐」

私が音楽を主体的に聴くようになったのは、小学校5年生の冬でした。

ある日風邪をひいてしまい、学校を休んで昼間からずっと家で寝る羽目になってしまったのですが(確か小学校を休んだのはこの1日だけだったと思う)、親が退屈だろうからと、枕元にラジオを置いてくれました。

午後、寝ながらずっとラジオを聴いていたら、いろんな音楽が流れてきて、音楽を聴くことに興味がわいてきました。

それまでは意識して音楽を聴いたことはなかったのですが、この日を境に、自分からいろんな曲を積極的に聴くようになりました。

その時は音楽といっても歌謡曲を聞いていたのですが、そのうち外国の曲、ロックを聴くようになりました。

当時はグラムロックが大流行しており、Tレックスデヴィッド・ボウイなどがラジオでよく流れてきました。特に「スターマン」には夢中になったものです。 

 

そんな頃、ある日立ち寄った書店で、「ロッキング・オン」という薄い雑誌を見つけたのです。確か9号だったと思います。

そこに載っている記事は、ボウイと書いていながらも音楽の話なのか何の話なのか分からないものとか、架空インタビューなど、他では見られないものであり、最初はよく分からなかったのですが、読むうちに中毒になっていました。

またこの頃オンエアされていた、NHKの「若いこだま」という渋谷陽一の番組を聴くようにもなりました。確か新聞のラジオ欄に「デヴィッド・ボウイ」特集と書いてあったので聴いてみようと思ったことがきっかけでした。

そんな時代を思い出させてれたのがこの本です。 

ロッキング・オンの時代

ロッキング・オンの時代

 

渋谷陽一を中心に、この本の筆者である橘川幸夫、そして松村雄策岩谷宏。この4人が集まってロッキング・オンを作り上げていく。全くのインディとして始めた雑誌が信じられないほどの成功を収めるその奇跡の、ごくごく初期が描かれています。

 なお保田與重郎の名前が出てきた(73頁)ことにも驚きました。

 

ところで、「ロキノン系」という言葉があります。

一般的にはロッキング・オンが主催するフェスに出演したバンドを指すようですが、評論とか文体についても使われるようで、「自分語り」を前面に押し出し、肝心の音楽については最後になってようやく出てくるような、そんな評論をいうのでしょうか。ロッキング・オンの中でも、橘川幸夫松村雄策などの原稿は、まさに自分語りの「ロキノン系」というものです。

 

この「ロッキング・オンの時代」と前後して又吉直樹の本に関するエッセイ集を読んだのですが、これがまさに「ロキノン系」というべき自分語り文体で、その偶然の一致に驚きました。

 

第2図書係補佐 (幻冬舎よしもと文庫)

第2図書係補佐 (幻冬舎よしもと文庫)

 

この又吉のエッセイ集、1冊の本についてのエッセイを集めたもので、対象は小説ですが、まさに自分語りで、小説の紹介は最後の3行くらい。

例えば「万延元年のフットボール」では、自分の祖父がどんな人だったかを冒頭からずっと書いてきて、最後から3行目にようやく「万延元年のフットボールを読んだ」と小説の話になる。また、「夜は短し歩けよ乙女」では、かって又吉が知っていた不思議な女の子の話が続き、最後から3行目に夜は短し歩けよ乙女」でも不思議な女の子が登場する、と小説の話になる。

見事なロキノン系文体です。

又吉は太宰が好きと公言しているくらいですから、自分語りも当然ですが、その自分語りはものすごくうまい。「火花」よりかなり前に書かれたものですが、その自分語りがちゃんと小説と関連していて、みごとな紹介になっています。

 

 今や渋谷陽一は日本有数のロックフェスを大成功させる会社の社長となり、又吉は芥川賞作家となりました。

 

メロトロンこの5曲

続きましては「メロトロンの1曲」という切り口で5曲を紹介します。

前回紹介した5バンドのようにメロトロンを使い倒すようなことはしませんが、1曲だけ使っているバンドも数多くあるのですが、その1曲が素晴らしく絶対落とせない、というものがあるので紹介してみました。

まず最初はビートルズ。関ジャムでも紹介されていましたが、「ストロベリーフィールズフォーエバー」。この曲のイントロのフルート音が有名です。

 

 


The Beats - Strawberry Fields Forever

 

次はアメリカ南部の男臭いロック。メロトロンといえばプログレプログレといえばイギリスやユーロでなのですが、まさかのアメリカ南部、サザンロックの雄のレーナード・スキナードのメロトロン曲。これはプロデューサーであるアル・クーパーのサジェストだと思います。

レーナード・スキナード+1

レーナード・スキナード+1

 

 このファーストアルバムの中の「チューズデーゴーン」にメロトロンが使われています。2:40あたりから聞こえてきますが、3:55あたりから全開になります。

 


Lynyrd Skynyrd - Tuesday's Gone

 

続いてはデヴィッド・ボウイ。出世作である 「スぺイス・オディティ」の表題曲。

スペイス・オディティ(40周年記念エディション)

スペイス・オディティ(40周年記念エディション)

 

 この人もストリングスはよく使いますが、メロトロンはほとんど使いません。ただこの「スぺイス・オディティ」では曲によく合った使い方をしています。

 


David Bowie - Space Oddity

 

さて次はストーンズ。これもメロトロンはあまりバンドのイメージにそぐわないのですが、一時道を誤りサイケに走った時期があり、その時作ったアルバムがサタニック・マジェスティーズで、そこでメロトロンを使っていました。

 

 

サタニック・マジェスティーズ

サタニック・マジェスティーズ

 

 

このアルバムの「2000 Light Years From Home 2000光年のかなた」においてメロトロンが印象的に使われています。

 

最後は超大物レッド・ツェッペリン。これもキーボード自体専任奏者がいないためメロトロンはあまり使わないのですが、この5枚目のアルバム「聖なる館」あたりから各種キーボードを使うようになり、メロトロンが使われています。

 

聖なる館

聖なる館

 

 

 2曲目の「レインソング」にメロトロンが使われています。かなりの使用量です。

 


Rain Song by Led Zeppelin in 1080p HD

 1:40あたりからメロトロンが出てきて、そこからはメロトロンが主役になっているというくらいの使用量で、メロトロン好きには堪えられません。

メロトロン@関ジャム2017.4.30

日曜の夜11:15からテレビ朝日系列でオンエアされている「関ジャム」という番組は、なかなか濃い音楽番組で勉強にもなります。今年になってから毎週見るようになり、毎回楽しんで見ていますが、4月30日放映の回では驚きのシーンがありました。

番組冒頭でその回の内容がちらっと紹介されるのですが、そこで、「おおこれはまさかアレでは」と思わせる画像がありました。見てみたらやはりやはり「アレ」、すなわちメロトロンでした。

メロトロンとはキーボードの一種で、プログレという音楽ジャンルでよく使われます。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%AD%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%B3

当日の放映ではいくつかのコーナーがありましたが、3つ目の「機材の森からこんにちは」と題した、音楽プロデューサー島田昌典氏の購入した機材を紹介するコーナーが見ものでした。島田氏の自宅にはスタジオがあり、そこには、いろんな種類のキーボードが大量にあり、中にはミニムーグなどもあったのですが、メロトロンも鎮座しておられました。

 

そして番組では何とその内部、テープがずらり並ぶところをを見せてくれたのでした。お茶の間にメロトロンの内部が公開されたのです。

 

続いて音を出してくれたのは良かったのですが、残念だったのはフルートの音色だけしか聴けなかったことです。やはりメロトロンといえばストリングスの音色ではないでしょうか。まあ、最近の曲で使いやすいのはフルートだとは思いますが。

 

さてこのエントリでは、メロトロンが存分に聞けるアルバムを5つ選んでみました。

 

まずはメロトロン界のキングといえば、このキング・クリムゾンしかありません。

クリムゾン・キングの宮殿

クリムゾン・キングの宮殿

 

この中の「エピタフ」は、ザ・ピーナッツや西条秀樹がカバーしていたことでも知られるように、日本人好みの泣きのメロディラインとメロトロンの音色が絶妙にマッチしている名曲です。


KING CRIMSON - EPITAPH (GREG LAKE VOCALS) BEST VERSION

 

次はメロトロンを使わなくなってから世界的大成功を収めたバンド、ジェネシスです。

フォックストロット(紙ジャケット仕様)

フォックストロット(紙ジャケット仕様)

 

 

冒頭のメロトロンのソロが圧巻。 何でもストリングスとブラスの両方の音が出る位置にheadを設置して出した音のようですが、初めて聞いた時その荘厳な曲調にひれ伏してしまいました。さすがに村上春樹に「大げさな名前」とけなされるだけのことはあります。

 


Genesis Watcher of the Skies

 

次は21世紀になって出現した北欧のクリムゾンフォロワー、アネクドテン。

暗鬱

暗鬱

 

来日公演を見ましたが、何と3台のメロトロンを持ち込んでパフォーマンスをしたように、メロトロン愛にあふれたバンドです。北欧らしく凍てつくような音色が特徴的です。

 デビューアルバムの「カレリア」が見つからなかったので代わりにこの曲を。


Gravity - Anekdoten

 

次はイタリアンロックの雄PFM。

PHOTOS OF GHOSTS

PHOTOS OF GHOSTS

 

 冒頭の「人生は川のようなもの」のラストが凄い。5:38くらいから洪水のようなメロトロンが流れてくるのですが、さらにその上に、ストリングシンセをかぶせてドラマチックさを増しています。


Premiata Forneria Marconi (PFM) - River of life

 

最後はアメリカ代表ですが、あまり知られていませんがすごいバンドです。パブロフズ・ドッグ。 

禁じられた掟

禁じられた掟

 

 このアルバムでは全面的にメロトロンが使われていますが、中でも「ファストガン」「地下鉄スーのテーマ」でのメロトロンは圧巻で、哀愁漂うメロトロンの音に、このバンドならではの泣いているようなボーカルが乗ると、独特の哀愁を帯びており、アメリカのバンドとは思えない雰囲気があります。

 


Pavlov's Dog - "Fast Gun"

 

ということでメロトロンを存分に楽しめる5枚のアルバムを選んでみました。

次回は「メロトロンこの5曲」と題して、メロトロンがフィーチャーされる曲を5曲紹介します。 

 

大和文華館 松浦屏風と桃山・江戸の絵画

大和文華館は近鉄学園前駅から10分程度歩いたところにある、日本美術を中心とした美術館です。家から近いので年に3,4回程度は訪問します。5月9日は無料公開デーとなっており、また国宝の松浦屏風が見られるというので行ってみました。

入り口を入ると広い庭園があり、坂を上っていくと展示室があります。

 

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今回の展覧会での目玉はやはり国宝の松浦屏風でしょう。 

下はその松浦屏風の一部です。

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とにかく保存状態がよく、色彩も鮮やかです。着物の柄がなかなか面白い。

ここには出ていませんが、カードゲームで遊んでいる場面もあり、なかなか興味深いものがあります。

 

有難いのは松浦屛風を眺められる位置に座る場所があることで、座ってゆっくり眺めることができます。

 

他にも三十六歌仙色紙貼屏風など、見応えがあるものが多く出ていました。

屏風で応挙っぽいのがあるなと思ったら応挙でした。これはプライスコレクション展で見た応挙の屏風に似ています。

最後のコーナーは幕末の欧風画で、小野田直武、司馬江漢の江の島図などがありました。 

小品ながらこの西洋夫人の画もなかなかよかったと思います。

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この展示は5月14日まで。