弁護士大久保康弘のブログ

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久しぶりの更新

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久しぶりに更新できました。

前回の更新が4日だったので、約3週間ぶりの更新になります。

その間更新がないのに、アクセスの多い日もあり、見て下さる方がおられることには感謝です。

更新が止まっていたのは、11日に当番弁護士で2件出動したのですが、あまりの暑さのためその後体調不良になってしまい、お盆休みのうち2日は完全に寝たきりだったことが原因です。

このように暴力的な日差しの強さなのですが、普段ならお盆の時期に咲くユリの花が、まだまだこれから咲くものもあるようで、関東はもとより、関西でも日照時間が不足していたのかもしれません。

 

 

西大寺展@あべのハルカス

先週金曜日の8月4日の夜、あべのハルカス美術館で開催中の奈良西大寺展を見ました。

ここは平日なら夜8時まで開館しているのがありがたいところです。他の美術館も金曜日は延長されるところがあるようですが、週に3日くらいは8時まで開館してほしいですね。

 

お目当ては8月6日までの限定公開である浄瑠璃寺の吉祥天立像。

 

「吉祥天像 浄瑠璃寺」の画像検索結果

  

 混雑もなく独り占めでじっくりみることができました。

彩色もよく残り美しく、視線が合うとどきどきさせてくれます。

 

そして塔本四仏座像。

阿弥陀、釈迦の2体の如来はよく見ますが、宝生如来、阿閦如来はなかな見ることがありません。

 



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「宝生如来坐像」

宝生如来坐像」

 

 

 「阿弥陀如来坐像」  

阿弥陀如来坐像」

 

 

 

「釈迦如来坐像」

   「釈迦如来坐像」         

 

さて国宝ですが、西大寺にありながらもあまり見ることができない国宝の十二天像も、2幅ずつ展示されています。

今回は伊舎那天と羅刹を見ることができました。

  


    • 「伊舎那天像」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「羅刹天像」 

そして2016年に国宝に指定された叡尊、興正菩薩像。

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 叡智がにじみ出るような像でした。

 

その他にも国宝は金光明最勝王経、大毘盧遮那成仏神変加持経の二

 

つのお経と、金剛宝塔、金銅能作生塔を見ることができました。

 

展示点数はあまり多くなかったのですが、国宝率は高く、あまり疲れることもなく満足度の高い展示でした。

9月24日まで。

 

隠れ社寺探訪記(6) 大阪市住吉区 東大禅寺

隠れ社寺探訪記第6回は、前回に続き大阪市内です。

今年から大阪市で行われている文化財特別公開。寺社特別公開のシリーズ第2回は、住吉区の東大禅寺です。

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南海高野線住吉東駅で下車し、東に少し歩くと住宅街の中に鳥居が見えてきます。ここも神仏習合ですね。

 

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鳥居をくぐって少し石段を上ると山門が見えます。古墳の上にできた寺ということです。

 

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門を入るとすくに本堂が見えてきます。

 

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ご本尊は毘沙門天。普段はお前立ちの後ろの扉の中におられますが、今回は特別に拝観させていただきました。漆黒で大きく、顔もいかつく、戦いの神らしい凄い迫力です。

 

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 また前回に続いてここにも荼枳尼天が。

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帰りに資料で教えていただいた近くの宝泉寺に寄りました。

 

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ここは十三仏の石仏があり、外から見ることができます。

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さらに北に歩くと六辻があります。地形的に必然性はないのですが、なぜか六差路になっており、六道ということで閻魔堂があります。

 

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ここでは閻魔地蔵尊が特別公開されており、拝観できました。暗黒の世界の帝王という 風情でした。

 

 

猿田彦と椿大神社

7月25日は天神祭でした。

当日の夕方は、事務所で仕事をしていたのですが、ドンドンと太鼓の音が聞こえたので、行列が来たかなと下に降りたところ、ちょうど猿田彦さんが通るところでした。

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この猿田彦さんは写真で見るようになかなかユニークな風貌をしており、見た子どもが泣いていましたが、風貌だけでなく、経歴というか伝承もユニークです。

 

天孫降臨の際、天照に遣わされたニニギのミコトを地上で出迎えて導いた国津神猿田彦。だから天神祭でも先導役を務めているのですが、まず第1に天孫族ではなく、降臨される地上にいること。それで神なのか、という疑問が湧きます。

また、先導役といえば聞こえがいいのですが、もともと日本にいた勢力からすれば裏切り者、天孫族に内通した者のような気がします。

内通して天孫降臨を実現させた功績に対する褒賞として、神として祀られたのではないかという気がします。

 

妻はアマノウズメノミコというのも面白い。天岩戸に隠れた天照大神にそこから出てもらうため、外で踊った芸能の神様です。

 

猿田彦は最後に、比羅夫貝という二枚貝に挟まれ溺れて死んだというのですが、女に溺れて死んだということでしょうか。あるいはもはや用済みになったのでハニートラップで消されたということでしょうか。

登場から最後までユニークな存在です。

 

この猿田彦を祭神とする神社は、伊勢の内宮の近くの猿田彦神社と、鈴鹿にある椿大神社が代表的なものです。

椿大神社には2013年7月に一度、参拝したことがあります。伊勢内宮でのお白石持ち行事に参加させいていただいた帰りに寄りました。

 

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椿大神社は、この地図にあるように亀山駅から北の方向にあります。

 

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みちびきの神となっています。


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本殿です。


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境内にはアメノウズメノミコをお祀りする鈿女本宮もあります。

 

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このあたりはヤマトタケルの墓という伝承がある能褒野も近く(上掲の地図のちょうど真ん中、井田川と369を直線で結んだ真ん中あたりの緑色の部分が能褒野神社です)、古代の伝承が色濃く、なかなか興味深い地方です。


追悼 山野浩一

 

鳥はいまどこを飛ぶか (山野浩一傑作選?) (創元SF文庫)

鳥はいまどこを飛ぶか (山野浩一傑作選?) (創元SF文庫)

 

 

 

7月も後半になり、週刊競馬ブックに、上半期フリーハンデがそろそろ掲載される頃だな、来週はまだのようだが再来週なのか、などと思っていたところに、そのフリーハンデの主宰者である山野浩一氏の訃報に接しました。77歳でした。

氏の肩書としては、競馬評論家、SF作家、評論家ということになると思いますが、競馬のことでも、SFのことでもこの方の書いたものにはかなり影響を受けました。

 

競馬では血統辞典と競馬ブックに毎年掲載されたフリーハンデJRAのレーシングプログラムに連載されていてた「栄光の名馬」などの名馬物語。ジャパンカップの外国馬紹介というのも海外競馬の情報が乏しい時代にはありがたいものでした。

また馬主としても知られており、特にステイゴールドはその評価も面白いもので、2着が多かったのは一生懸命走って足りないまじめな努力家などではなく、フィジカルな面では凄いがちゃんと走らないというのがその実態だ、と看破しておられました。もちろんこの要素は産駒のオルフェーブルに受け継がれるわけです。

 

SFでは「X電車で行こう」「鳥はいまどこを飛ぶか」などの小説の他、「日本SFの原点と指向」などの評論もありますが、氏が真に偉大だったのはNW-SFを創刊したり、サンリオSF文庫の創刊にかかわるなどのオルガナイザー的な活動だったのではないかと思います。

NW-SF創刊号には、バラードの「内宇宙への道はどれか」という評論が掲載されましたが、この評論が日本のSF界に与えた影響は大きなものでした。

またこの雑誌から、川上弘美が出たというのも大きな功績でした。

 このNW-SFは1970年創刊、1982年の18号が最終号のようです。

小説はかなり全共闘の影があり、今となってはかなり古めかしいものとなっていましたが、評論やサンリオSF文庫のラインナップは未だに古びていないと思います。

近年、サンリオSF文庫創刊当時の事情について大森望氏のインタビューに答えられていましたが(「サンリオSF文庫総解説所収」)、よくぞ残してくれたという感謝の思いで一杯です。

 

また死の直前までブログを書き残していたことも驚きですが、その死を知った多くの方から、その死を悼む声が多く寄せられていることはその人柄ゆえでしょう。

 謹んで追悼の意を示したいと思います。

奈良国立博物館 源信展(前期)

奈良国立博物館にて、7月15日より、源信展が開催されています。

早速見に行きました。

3連休の中日の日曜日でしたが、午後3時半ころに行ったのであまり混雑しておらず、ゆっくり見ることができました。 

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源信といえば「往生要集」ですが、これは地獄と極楽についてさまざまな仏教の経典から引用したもので、この展覧会はそこで描かれた地獄や極楽を表現したものです。 

展覧会の構成は4部に分かれており、第1章、第2章は源信の誕生、比叡山横川での修行に関する展示で、国宝は清涼寺釈迦如来像納入品の文殊、普賢像、一遍聖絵醍醐寺の往生講式を見ることができます。

 

続いてはこの展覧会の最大の見どころである第3章。「往生要集と六道絵の世界」とありますが、地獄絵のオンパレードで、圧倒的な迫力で迫ってきます。

 

その中でもメインとなるのは、国宝である聖衆来迎寺の六道絵全15幅の展示。

 

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全15幅は、

等活地獄黒縄地獄衆合地獄、阿鼻地獄、

餓鬼道、畜生道阿修羅道

人道不浄相、人道苦相1、人道苦相2、人道無常相

天道、閻魔王、警喩経所説念仏功徳、優婆塞戒経所説念仏功徳というもの。

以上15幅揃っての展示はなかなかありません。毎年お盆に聖衆来迎寺で行われる展示は模本のようです。

 この15幅のうち、最初の地獄そのものの絵も凄かったのですが、とりわけ印象深かったのがこの天道の絵です。

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この絵の中央下部に、だらけたポーズの天人が描かれていますが、これは「天人五衰」を現しているとのこと。

 

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天人は老い衰えると頭上の花が萎み、衣が垢で汚れ、脇から汗が出、目が回り正しい姿勢を保てなくなる。これを天人五衰という、という往生要集の記述に従い描かれているそうです。

天人五衰といえば三島由紀夫の「豊饒の海」最終巻。

これが天人五衰なのか、と感慨深く見ました。

 なお、六道絵は8月6日までの展示なのでご覧になりたい方はお早めに。

 他に地獄編での国宝は、大般若経、正法念処経、辟邪絵。それぞれ見応えがあります。

 

ここからは奥の第2会場で極楽編になります。

展示のメインは、知恩院の聖衆来迎図早来迎、法華寺阿弥陀三尊及び童子像です。

下は知恩院の早来迎。

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他にも来迎図がいろいろありますが、正直言って地獄の方が見応えがありました。

 

 

そういえばダンテの神曲も地獄編が一番読み応えがありましたが、 人間の想像力は地獄の方に強く働くのでしょうか。これは少し考えてみたいテーマです。

 

いつもよりは少なめの展示でしたが、しかし六道絵15幅でお腹がいっぱいになりました。15時半くらいから見はじめ、混雑はしていなかったのに見終わったのは17時を過ぎていました(18時までの開館でした)。

見応えがありました。

 

9月3日まで。

オペラ「フィガロの結婚」と西九条ブランニューのライブ「無限大Ⅴ」

 先週末は3連休でしたが、土曜日はオペラ、日曜日はロック(プログレ)と音楽を楽しみました。

オペラは西宮北口兵庫県立芸術文化センターで毎年恒例の佐渡裕オペラ。

 

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今年はフィガロの結婚

モーツァルトの音楽は華やかです。

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会場は満員。

 

 

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こちらは毎年恒例の三宮の焼き鳥のんちゃんのお花。

 

 

続いて日曜日は、昼寝してからまず奈良国立博物館源信展。

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そして、奈良から近鉄で西九条まで直通。ブランニューは高架下にあります。

 

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私が見たのは山口のKADATHから。煉獄楽団ということで、 先ほどの源信展で地獄と極楽を見てから、煉獄楽団を見るのはちょうどいいかも。

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キーボードの方はスティックも演奏します。

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 ソプラノサックスも。芸達者です。

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複雑な展開で飽きさせない、しっかりした手ごたえのある演奏でした。 

 

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 トリはⅢOPTION。

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私が座ってみていた隣の方は何とキーボードプレイヤーのお父さんでした。

 

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先ほどのKADATHとは異なり開放感のあるフュージョンを演奏してくれました。

 

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楽しかったです。ありがとうございました。