弁護士大久保康弘のブログ

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フィギュアスケート グランプリシリーズ後半戦

グランプリシリーズも第6戦を終えました。先日、NHK杯については書きましたので、ここでは第5戦ロシア大会、第6戦フランス大会について書きます。

まずロシア大会は羽生君。SPでは今シーズン世界最高の110点台を出しながらフリー当日の朝の練習での4Loの着地でケガをするという、去年のNHK杯と同じようなことになってしまい、フリーの出場が危ぶまれましたが何とか出場し、構成を4Loを外した4S、4Tを中心に変更して何とか滑りきり優勝しました。中継の最後に、エドヴィンマートンとのハグがとらえられており、テレビ局はグッジョブ。

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友野君が3位。前の試合では緊張したのか実力を出せませんでしたが今回は見事な演技でした。ただフリーのリバーダンスは、「曲だけリバーダンス」だったのが残念です。ちょうど先日、2009年の全日本フリーを見ることができましたが、最終グループでリバーダンスを披露した郡山君のステップは真正リバーダンスでよかったです。

 

女子はザギトワの一人舞台。初戦2位で期待された山下は残念ながら7位、白岩が5位でした。2位に入ったのはロシアのサモドロワで、ロシアの底力を感じますね。

 

終戦はフランス大会。エリックボンパール杯ではなくトロフィードフランスとなっています。

男子はSPでは何とジェイソンブラウンが96.41というハイスコア。4回転無しでもこの数字が出るのですね。大本命のネイサンチェンは出遅れ、ブラウンとは10点差がありましたが、フリーでなんなく逆転して優勝。ブラウンはフリーで3位もトータルで2位。しかしサイモンとガーファンクルという、ダンスに向いてなさそうな曲をあえて選ぶのがジェイソンらしいというか。

女子はメドベデワと紀平の対決かと思いきや、何とメドベデワがSPでミスがあり3位から、フリーでは迷いのある演技で5位となり表彰台を逃すという波乱。

SPでは紀平が冒頭の3Aが抜けてしまいノーバリューとなりましたがそれでも67.64でトップの三原にわずか0.31差の2位。本田真凛も65.37とあまり差がない4位。

フリーでは紀平は不調になってしまったということで、冒頭3Aの着氷が乱れ、次の3A3Tを2A3Tに変更せざるを得ず、しかしそれでもうまくまとめて138.28。SPもフリーもいまひとつの出来ながら後は丁寧にまとめることができるのが強みです。

三原がフリーで3位、トータルは202.81で2位になりましたが紀平と3.11差。最後の3Sが跳べていればこれ以上の点数になり、優勝すればファイナルに進出できたので残念です。その反面紀平は2連勝で大きな注目を集めることになりました。テネルが3位になったのはさすがでした。

さあいよいよファイナルです。

フィギュアスケート 2018NHK杯

11月9日から広島で開催されたNHK杯。土日の分のチケットが確保できたので見てきました。

 

大阪を朝出ると広島に10時台に着いてしまい、試合までに時間があったので、鉄ちゃんの血が騒ぎ、可部線で一度廃線になったが最近復活した区間、可部―あき亀山間に乗車してきました。

その帰りに、途中の大町駅でアストラムラインに乗り換えたら試合会場の近くに行けると思いついて乗り換え、その車中で、そういえば広島市内に国宝がなかったのかな、と思いついて調べてみたら、何とこのアストラムラインの途中駅、今通過したばかりの不動院前駅で降りてすぐの場所にあったのです。

それは安国寺不動院。安国寺の名の通り、安国寺恵瓊が中興の祖となった寺院です。広島の国宝というと厳島神社が有名すぎてその陰に隠れていたのでしょうが、この風格はまぎれもなく国宝です。

 

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お昼頃ようやく会場に着き、肝心の競技はアイスダンス・リズムダンスの途中から見ましたが、目玉のパパダキス・シゼロン組がいつの間にか欠場となっており興味が半減となりました。その後お好み焼きを食べに行ったためペアの前半は見ることができませんでした。

いよいよ女子フリー。前日のSPは首位が3Aを決めたタクタミシェワ、僅か0.09差の2位に宮原とこの2人が76点台で抜けており、三原舞衣が70点台、紀平梨花は3Aで転倒したため69点台と首位からは約6.5点差の5位でした。

 

前半組の中ではマライアベルが素晴らしい演技で、135.99と前半グループでは飛びぬけた得点を出し本日最初のスタオベをもらい、後半グループへの期待が高まりました。

 

後半2番目の滑走が紀平梨花。A Beautiful Storm(by Jenifer Thomas)という、静かに始まりドラマティックに展開するピアノ曲に合わせて、3A+3T、3Aを見事に決め、その後も次々ジャンプを決めました。

 

 

ラスト近くでは、「これは凄い演技になるかも」という期待に、会場は息をのんだ静けさとなり、ラストのジャンプが決まると熱狂的なスタオベ。154.72というとんでもない高得点になり合計224.31と一気に首位に立ちました。 

 

10番滑走は三原舞衣。しっとりした柔らかい演技で133.82と高得点でこの時点で2位。

11番滑走はSP首位のタクタミシェワ。フリーでも3Aを決め、最後のステップでは観客を煽って会場を大いに沸かせスタオベをもらい、142.85という高得点でした。しかしこれでも紀平に届かず。

そして最終滑走は宮原。いつものように精密機械のようにジャンプを決めましたがちょっと迫力が欠けたかな、という感じでした。しかしかなりのハイレベルな演技となりスタオベをもらい、さて優勝はどっちだ、という期待の中発表された得点は143.39。合計は219.47とかなりのハイスコア、しかしこれでも紀平には及ばず、優勝は紀平梨花、となった時に会場は興奮のるつぼ。

 

このように女子フリーは歴史的な一戦となりましたが、しかしその後の男子はいまいちでした。あなご飯を食べて観戦しましたが期待のバシリエフス君やロシアのアリエフがいまいちで、最後の2人までスタオベはなし。

最後から2人目の宇野君は前半はジャンプが決まり良かったのですが、後半のコンビネーションジャンプで3回のうち1回しかつけられず、不満の残る結果となりました。自分としてはスタオベできないな、という演技。

最終滑走のボロノフは手堅くまとめて162.91.。仕方なくスタオベしました。

 

翌日は朝から呉に行きました。

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てつのくじら館、大和ミュージアムと回り大和ミュージアムはあまりに人が多かったので落ち着いてみることが難しく、それに比べててつのくじら館は展示されているものも興味深く、また潜水艦の中に入れるので見応えがありました。最後に少し離れた入船山記念館まで行き、そこの近くのバス停から、レアラインという広島市内行のバスに乗りました。八丁堀まで行くので便利でしたが、バスで熟睡してしまい、一つ手前の最寄りのバス停で降りることができず時間がかかってしまい、アイスダンスフリーは後半組の途中からになりました。

今回はエキシビジョンの前にレジェンドオンアイスがあり、7人のレジェンドを見ることができました。伊藤みどりのシングルアクセルなど見どころ満載でしたが、高橋大輔は現役なのでアンコールがありマンボで楽しませてくれました。

エキシビションは今回のように歴史的な大会のエキシビジョンだったので見てよかったと思います。特に三原舞衣がシンデレラを演じてくれたのはうれしく思いました。

歴史的な名演技を見ることができて充実した2日間でした。

  

フィギュアスケート グランプリシリーズ前半戦

今年もグランプリシリーズが開幕しました。と書いて下書きにおいてしばらく更新する暇がなく、気づいたら何と第5戦まで終わっていました。

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第1戦のスケートアメリカ、昨年は順番が最後でしたが、今年は開幕戦となりました。やはりその方がしっくりきますね。

しかし開幕戦であるにもかかわらず、日本人は男子が出なかったせいか扱いが小さく、SPは地上波がありませんでした。このスケートアメリカ、宮原、坂本の2人が表彰台に乗りそのままオリンピック代表になった重要な試合だったにもかかわらず地上波ではSPの中継がなく、今年も関西では地上波の中継はありませんでした。そうなるとどうしても中継を見る前に結果が分かってしまい、興味半減です。

男子で驚いたのはレイノルズ君が出ていたことで、今年は事前にエントリーをチェックしていなかったのでこれには驚きました。結果は残念なものでしたが、チャレンジ精神に拍手です。

優勝はネイサンチェン。SPは素晴らしいプログラムでした、フリーとの合計で280.57と、2位のブレジナに40点差をつける圧勝でした。

女子は昨年同様、宮原と坂本のワンツーで、昨年3位のテネルは惜しくも4位でした。本田真凛はSPは4位とまずまずで表彰台の可能性も十分ありましたが、フリーで崩れて8位。

 

続くスケートカナダ、男子は宇野君の優勝は当然としてメッシングの2位は、平昌五輪で援していた者としてとても嬉しく思いました。特にSPで4T+3Tと3Aを完璧に決め、何と95点を叩き出し、宇野君を抑えて首位に立った時は自分で盛り上がりました。

女子はタクタミシェワが見事復活し3Aを決めて優勝。大本命のメドベデワはSPで何と7位と出遅れてしまい、フリーは1位となったものの3位にとどまりました。逆に樋口はSPは2位と好発進だったもののフリーで崩れて7位、トータル6位と入れ替わりの激しい一戦でした。

その間を縫って山下真湖がデビュー戦で何と2位。地元カナダのチャートランドは8位にとどまりました。昨年カナダ勢は好調だと書いたのですが、今年はオズモンドがお休み、デールマンも欠場と今シーズンは不振となりました。

 

 第3戦はGPヘルシンキ。今シーズン中国が開催を返上した代わりの大会でした。いよいよ羽生君の登場。SPで106.69とほぼ完璧な出来で高得点を叩き出すとフリーでは冒頭4Lo、途中の4Tと2本回転不足を取られたものの190点を超える得点で、2位ブレジナに40点差をつける圧勝でした。

2位のブレジナは2戦とも2位でファイナル進出となります。

女子はザギトワが圧勝。SPでは3Lzの後が1回転になってしまうミスがありましたが、フリーでは後半3Lz3Loが回転不足となったものの146.39、トータル215.29で圧勝。

坂本はSPで冒頭3F、後半の3Lo+3Tと2回も転倒してしまい7位と出遅れましたが、フリーで何とか盛り返し2位、トータルで3位となりファイナルに望みをつなぐ結果となりました。

白岩はSPは2位と絶好位につけましたが、フリーでは最後の方のジャンプが決まらず5位。代わりにロシアのコンスタンティノワがフリーでいい演技を披露し2位に浮上しました。

ここまでの3戦では男子の3強がそれぞれ1戦ずつ制して順当だったのに対し、女子ではタクタミシェワが復活しメドベデワに勝つという意外な展開となりました。

続く第4戦のNHK杯は広島で行われました。土曜日曜の2日間、現地観戦しましたが、これについては別エントリで。

 

大和文華館 高麗

10月31日、大和文華館に高麗展を見に行きました。

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今回は金属工芸が集められていましたが、とりわけ素晴らしかったのがこの観音・毘沙門天像小仏龕(ぶつがん)。

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とても小さなものでしたが素晴らしい小宇宙でした。

菊花賞 馬はゴールが分かるのか

菊花賞を見に行きました。昨年は台風の影響で大雨の中行われましたが、今年は晴天に恵まれました。

 

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いつものように4コーナー付近に陣取ってレースを待ちます.。ここだとパドックも近いし。

 パドックのエタリオウ。

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  エタリオウの強さは認めますが、ただ何せ1勝馬。勝つイメージもあまり浮かびません。

 

パドックのフィエールマン。

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レースは超スローペースとなり、1周目のスタンド前はこのように先頭から最後方まであまり差がなく通過。

 

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直線、このようにエタリオウが完全に先頭に立ちました。

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しかしそのあと、内からフィエールマンが鋭い足で差してきて完全に抜き去りました。その後エタリオウも再度盛り返し懸命に差を詰めましたが、詰めたところでゴール。

 

この直線で私はオルフェーブルの凱旋門賞を思い出しました。

あの時も、ものすごい手ごたえで先頭に立ったものの、なぜかその後へろへろと内によれて、内からきたソレミアに差されてしまったのでした。

この父を同じくする2頭は、「競馬というのはゴールで先頭に立つのが勝つことだ」ということが分かっておらず、直線向いて先頭に立てばそこで力を抜いてしまったような気がします。

 

このエタリオウのレースについて、アンカツさんはツイッター

「何というか、勝ちたくないタイプの馬は本当に追い出しが難しい」

と発言していましたが、要は「ゴールが分からない」タイプの馬を、「勝ちたくないタイプの馬」と表現しているのではないかと思います。

 

直線先頭に立つとソラを使う馬もよくいますが、ゴールが分からず、先頭に立つとそれで満足してレースが終わりと思うのでしょう。

 

ただ、そもそもどのように馬はゴールを知るのでしょうか。もちろん勝手に分かるわけではなく、騎手が教えるのでしょうが、すぐに理解する馬となかなか理解しない馬がいるのでしょう。

 

エタリオウが、「最強の1勝馬」の称号を返上するには、レースとは何か、ゴールとは何かを教え込まなければいけないのではないでしょうか。

 

清水寺の秘仏、大随求菩薩

10月6日、清水寺塔頭の随求堂にて、秘仏である大随求菩薩が222年ぶりに随求堂にて公開される(その間に出開帳はあったようです)というので、これはぜひ拝観しなければと行きました。

 

この大随求菩薩は、あまり聞き慣れない名前ですが、密教の菩薩で胎蔵界曼荼羅の蓮華部院にいらっしゃるということです。

 

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蓮華座の下の座の部分が何層にもなっており、上部の 宝具なども素晴らしく、お顔は柔和でした。

胎内巡りもしました。

 

そして古い版木で刷ったという、限定ツアーグッズの随求陀羅尼も無事GETすることができました。

当日は少し雨が降る時もありましたが、せっかく久しぶりにここまできたというので先に進み清水の舞台へ。修理中でしたが何とか外を見ることができました。

 右下に音羽の滝が見えますね。

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久々の清水の舞台でした。

 

 

森見登美彦「夜行」を読みました

 森見登美彦の「夜行」をようやく読みました。

夜行

夜行

 

この本は以前、直木賞にノミネートされたときに取り上げたことがあります(2017.3.2恩田陸森見登美彦)。

そこでは、鞍馬の火祭の夜に忽然と姿を消した彼女、というところから始まるらしいので、それなら、私自身が以前、鞍馬の火祭の日に体験したことと同じなので、オチがそれと同じだろうと思って読まないのだ、というようなことを書きましたが、今回読む機会があり、読んでみるとそんな話ではありませんでした。失礼しました。

 

まず舞台になるのが尾道。第一章ではなく第一夜となっています。以下、第二夜奥飛騨、第三夜津軽、第四夜天竜峠、第五夜鞍馬と続きます。

 

そして岸田道夫という画家の連作銅版画「夜行」をめぐる奇妙な話をそれぞれ異なった語り手が語ります。

最後に世界が反転してしまうところが面白い。

 

ところでこの本を手に取ってみるとカバーがなかなか凝っています。表紙は海の向こうに島があり、その間の海はまるで川のようだという尾道の風景ですが、それが右に続きそのまま裏カバーに続いています。そしてその裏の風景は、この作品の第二夜奥飛騨のような風景になっています。

 

いろいろと楽しめる作品でした。