弁護士大久保康弘のブログ

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満州を舞台にした物語「地図と拳」小川哲、アニメ「プリマドール」

満州を舞台にした小説ということで、前から読みたかった「地図と拳」をようやく読むことができました。この本は図書館で予約していたのですが、3月にあと一人となった後、前に借りた方が長期間返却しなかったためになかなか借りられず読めなかったのです。

 

 

しかし木曜の夜に借りて読み始めたら、土曜日には読み終わっていました。

満州を舞台にした物語ですが、なぜか舞台が架空の都市となっており、これは何だろう、と思っていましたが、読んでみて理解できました。

物語の年代は日露戦争前1899年から、第二次大戦後1955年までの長きにわたりますが、日本と満州の関わりからすればそれだけの期間は必要でしょう。

登場人物も多いのですが、中心人物は細川という男。

この細川の計画で都市の建設が進んでいくのですが、キャラクターとしては少し弱い気がします。

主要人物の一人、時間や風力などを計測できる須野明男は物語がかなり進んだ第5章になって出てきますが、こちらも押し出しが弱い人物です。

主要な舞台である架空の都市、仙桃城ですが、肝心の地図がなく、どのような都市なのか分からないのがとても残念。

仙桃城とは逆に、地図にはあるが実在しない島の話は

興味深く読めました。

約600頁の大作ですが、なかなか面白く一気に読めました。

 

全然別の話ですが、満州関連の物語の話題を。

今年前半に放映されていたアニメ、「プリマドール」は明確にしていないものの、明らかに満州を舞台にしたものでした。偶然見たら、冒頭にいきなり満鉄パシナが疾走してきて仰天しました。

実際に満州を舞台にしているとは言わないのですが、先ほどの満鉄パシナだけでなく満州の建物をモデルにした建物も出てきて、満州国オタクには満足度の高いアニメでした。