彼女の残した音源としては、フェアポートコンベンション、フォザリンゲイ、などのグループもありますが、まずはソロアルバムから。
サンディ・デニーは4枚のソロアルバムを出しています。他にフェアポート参加前の67年の「オリジナル・サンディ・デニー」と最後のライブとなったライブ盤を出しています。
まずは4枚のオリジナルアルバムから聴いていきます。
最初はファーストソロ。1971年。邦題「海と私のねじれたキャンドル」原題は「ザ・ノーススターグロスマンアンドザレイブンズ」ですがどうしてこの邦題になったか分かりません。
ジャケットはサンディが暗い部屋で薬の調合をしているシーンですが、魔女に見えてきます。
曲は、かなりトラッド寄りの曲が多く、ジョン・ザ・ガンなどはフェアポートの曲のようです。
ストリングスも少し入っていますが、後期ほどの独自性はまだありません。ネクストタイムアラウンドの途中から控え目に入ってきます。
レッツジャンプザブルームスはロックン・ロール。
ラストの1曲前がタイトル曲。波の音から始まる曲ですがいわゆるサビの部分がなく、淡々とした感じの曲です。
最後はちょっとだけ明るいクレイジーレディブルースで終わります。
続いて1972年に発売されたセカンドアルバム。プロデュースはトレバールーカス。
ジャケットは前作のような魔術的な雰囲気はなく正面を見据えたサンディのポートレートです。サンディという自身の名を冠したアルバムに相応しいジャケットです。
明るいメロディの、トラッドというよりカントリーという感じの曲が多いです。
この中で、クワイエットジョイオブブラザーフッドという曲がアカペラで始まり、途中から多重録音となり、3分過ぎにようやく楽器が入るというユニークな構成で聴き物です。彼女がソロで取り上げた最後のトラッド曲でもあります。
この曲はフェアポートでも取り上げられていますが、オリジナルアルバムには未収で、リージアンドリーフのディスク2に収録されています。
明るいリッスンリッスンを経て、ザ・レディからストリングスの響きが増してきます。
イットスーツミーウェルのアコーディオンも面白い。
ザ・ミュージック・ウィーバーのピアノ、ストリングス、バイオリンの絡みも素晴らしい。
ヒア・イン・サイレンスの管楽器。
マン・オブ・アイアンのアレンジも凄いです。最後のホワイトノイズが凄い。
このように、かなりアレンジが凝ってきたのが特徴です。