前回に引き続き、サンディデニーのソロアルバムを聞いていきます。
サードです。1973年。
A面はメロディの美しさで聞かせる。前作のような冒険的アレンジの曲はありません。
冒頭の「ソロ」は素晴らしい名曲。ピアノをバックにサンディが歌いますが、歌とピアノの絡みが最高です。
続くライクアンオールドファッションドワルツもピアノが基調ですが途中から入ってくるストリングスが素晴らしい。
ウィスパリンググラスはジャズ風のアレンジでまさにオールドファッション。
フレンズはシンプルな曲に控え目なストリングスが入ってくる。ワウワウギターが絡む。唐突に終わる。
カーニバルは歌が力強い。この曲はストリングスもピアノも自己主張が強く、ラストは混沌とした感じでフェイドアウト。
ダークザナイト このアルバム初めてアップテンポの曲。これまでのアコースティックなアレンジから、エレピを使うなどかなり変化している。間奏もエレピのソロ。あっけなく終わる。
アットジエンドオブザデイ ややもったいぶった始まり。歌い方も諭すようなもの。間奏部はストリングスが主役となっている。ラスト近くのストリングスも雄弁。
アンティルザリアルシング オールドファッションドな曲。ピアノが転がり、、ホーンが絡む。
ノーエンドは控え目なピアノから始まり、途中からこれも控え目なストリングスが入ってくる。間奏部のストリングスが印象的。ラストの消えていく感じは凄い。
この後、サンディはフェアポートに再加入します。
4作目。ラストアルバムです。75年のフェアポート再加入を経て、再びソロに戻って77年発表。
これもアレンジに工夫があり、サンディがトラッドシンガーというよりスケールが大きなシンガーだということを証明しています(私が最もトラッドらしいシンガーと思うのはジャッキーマクシーです)。
アイウィッシュアイワズフールがドラマチックに始まる。ピアノ以外のキーボードが入っている。またヴォーカルもいろいろ入っており新しい試みがされた曲。
ゴールドダスト ドラムが目立つ元気な曲。途中から絡むトランペットも良い。
キャンドルインザウィンド 言わずと知れたエルトンジョンの曲。しかしこのアルバムがサンディのラストになることを知っていると感慨深い。アレンジはピアノもストリングスも平板だ。
テイクミーアウェイ ギターが目立つ。間奏はギターのソロ。コーラスもあり盛り上がるがアレンジはオーソドックス。
ワンデードンキーライド 「いつかロバに乗って」という慣用句。アコースティックギターのストロークに
始まり、すぐ歌になる。ペダルスティールやキーボードの響きが歌を引き立てます。
アイムアドリーマー ピアノとストリングスが冒頭から響く。途中からドラムが入ってくる。シンプルなアレンジだが、ラスト近くでギターソロが入ってストリングスがかなり自己主張する。
オールアワデイズ 冒頭からストリングスが前に出る。途中からはストリングスの独壇場で、映画音楽のような感じになる。そこにまたヴォーカルが加わって
劇的に。
シルバースレッドアンドゴールドニードル オーソドックスな始まり方だがホーンが入ってくる。またギターソロもある。ラストはむしろホーンが主役。
ノーモアサッドリフレイン ストリングスもあるが途中のギターソロが素晴らしく、歌が戻ってからも歌との絡みがまた良い。
スティルウォーターズランディープ アップテンポの曲でオルガンが響くが歌も性急な感じ。何かあっという間に終わる。
フルムーン 悠然たるバラードで冒頭からストリングスが響く。間奏でのホーンは何だろう?終わり方は少しあっけない。
さてこれでサンディの4枚のアルバムの全曲を紹介しました。次回は補遺として正式デビュー以前の発掘版とラストライブを取り上げる予定です。