昨年10月に出た本です。
もともと月刊誌に連載されたものをまとめたものですが、連載途中にコロナ禍となったため、連載当初は毎月京都に取材に行って執筆していたのができなくなってしまいました。
それで著者はどうしたかといえば、9章から12章の4回分については、具体的な場所の訪問記事ではなく、「平安と現代、伝染病が蔓延する世を生きる」「女人にとって籠るとは」などの抽象的なテーマで書かれています。これが怪我の功名というか、良いアクセントになっています。
その後一度は制限も緩和され、再び実際に行けるようになったのでもとのスタイルに一度は戻ったのですが、また緊急事態となり再び現地訪問は難しくなり、18章や20章、21章では、Googleのストリートビューでバーチャル訪問をして書かれています。
ただ抽象的テーマの部分に比べると、実際の訪問、バーチャル訪問ともにかなり薄味となっているのが残念ではあります。
このように、コロナ禍の時期ならではの変則的な展開があったのが面白く、取り上げてみた次第です。