弁護士大久保康弘のブログ

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2021年の終わりに

今年は前年からのコロナ禍がある程度収まったものの、秋まで行動制限が続き、なかなか動けない日々が続き、グランプリファイナルが中止になったりする中、2月に突発性難聴になるなど個人的にも順調さを欠いていました。そんな中、12月には2年振りに東京に…

歳を重ね痛切に感じる小説 谷川直子「あなたがはいというから」朝倉かすみ「平場の月」

年齢を重ねないと分からないことがあります。早く目が覚め過ぎることなど、ほんの少し前には自分がそうなるとは思いもよらなかったことです。目が覚めても寝足りないわけですから、その分をどこかで補わないと辛い。昼食の後は眠るようにしていますが、電話…

隠れ社寺探訪記(22)東福寺の塔頭 正覚庵、光明院、南明院

毎年春と秋には京都で非公開寺院の特別拝観がありますが、コロナの関係で春は中止となり、なかなか開催されませんでした。ようやくこの秋は開催されることになり、東福寺の塔頭がいくつか公開されていたので行ってきました。京阪の鳥羽街道駅で下車し、東福…

大津市歴史博物館 「西教寺」展

10月16日、大津市歴史博物館にて開催された「西教寺」展を見に行きました。10月16日、大津市歴史博物館の「西教寺」展を見に行きました。この大津市歴史博物館ですが、最近では「聖衆来迎寺と盛安寺」「義仲寺」という、滋賀県の寺宝の企画展が開催されてい…

読書記録「文久元年の万馬券」

以前チェックをしていたのに、その後読むのを忘れてそのままになっていた本は多いのですが、この「文久元年の万馬券」も以前、日経の木曜夕刊で紹介されてチェックした本の一冊ですが、最近思い出すことがあり、今回読むことになりました。文久元年の万馬券―…

青春18切符で香住まで 62歳、真夏の小冒険

毎年夏休みには、青春18切符で日帰り旅行を敢行しています。最近では、舞鶴、福井、そして昨年も仕事を兼ねて岡山県の閑谷学校に行きました。今年はどうしたものかと思ったのですが、7月になってようやく山陰本線の香住まで行くプランを思いつきました。鈍…

奈良国立博物館「奈良博三昧」

7月は前半雨、後半は猛暑で、なかなか出かけることができなかったのですが、4連休のうちの7月24日、春日大社国宝殿の「絵解き!春日美術」と奈良国立博物館の奈良博三昧を見てきました。まずは春日大社の駐車場に車を止めて国宝殿へ。は絵巻物が中心の展示で…

隠れ社寺探訪記(21)聖衆来迎寺、盛安寺

6月12日、先日の比叡山に続いて、再度滋賀県を訪問しました。同じく湖西線の比叡山坂本で下車しましたが、今回は琵琶湖側に降ります。京都からの列車は昔懐かしい113系でした。まずは聖衆来迎寺に向かいます。坂本駅から1キロなのでそれほど遠くありません…

読書記録 「サガレン」梯久美子

最近読んだ本の中から梯久美子「サガレン」を紹介します。この本の著書である梯久美子さんの本は、「散るぞ悲しき」「狂うひと」など何冊か読んでいますがいずれも読み応えがありました。今回のこの「サガレン」はサハリン紀行。著者は女性には珍しい鉄道フ…

比叡山に登る

5月30日、初夏の爽やかな気候に、緊急事態宣言下、どこかに行きたいがどうしようと考え、坂本から比叡山に歩いて登ることにしました。まずはJRの比叡山坂本駅で下車。ここから日吉大社の手前まで小手調べ。登り口は広い石段です。11時38分に登り始めました。…

読書記録 清水浩史「深夜航路」

現在、何度目かの緊急事態宣言が出ており、いろいろ不便がありますが、その一つに図書館が休館になっていることがあります。通勤経路の途中に、奈良市立西部図書館と大阪府立中之島図書館があるのですが、中之島図書館は日経新聞の木曜の夕刊の最終面から読…

村上春樹「やがて悲しき外国語」

最近、よく読むブログは、デビッド・ライス氏のブログ「道徳的動物日記」です。最近はマイケル・サンデルの「運も実力のうち」についての評が面白かったのですが、村上春樹に関する文章も面白く、少し前のものになりますが、「やがて悲しき外国語」について…

読書記録 仏像と日本人

今回取り上げる「仏像と日本人」は、昨年読んだ本の中でもベストに挙げていい本ではないかと思います。仏像と日本人-宗教と美の近現代 (中公新書)作者:碧海 寿広発売日: 2018/07/18メディア: 新書これまで、仏教の歴史や、仏像の歴史の本は多々ありましたが…

誤解されやすい法律用語 その1陳述と擬制陳述

このブログはこれまでほとんど法律のことについては書いてこなかったのですが、今回から「誤解されやすい法律用語」というシリーズを始めたいと思います。第1回は、「陳述と擬制陳述」です。これを取り上げようと思ったのは、この本を読んで誤解があると思…

2020年の競馬ージャパンカップ

2020年は、楽しみが少ない年でした。そんな中でも、競馬は休むことなく開催されました。このことは、多くの人にとって救いとなったのではないでしょうか。競馬が途切れず開催されたことは、国家の財政に貢献したことはもちろん、無観客開催を続けたことで、…

隠れ社寺探訪記(20) 大津市新羅善神堂、義仲寺

昨年11月21日、滋賀県大津市の新羅善神堂と義仲寺に行ってきました。大津市歴史博物館での「聖衆来迎寺と盛安寺」展を見に行く際に寄ったのがこの2か寺です。まずは湖西線の大津京駅で下車。そこから南方向に歩いていき、大津市役所の裏手に行くと全く人気…

2021年1月1日

皆さま、あけましておめでとうございます。今朝はこのようによく晴れて、初日の出が綺麗に見えました。本年も当ブログをよろしくお願いします。

2020年の終わりに

2020年も大晦日になりました。今年は本当に過酷な一年となりました。コロナの感染も未だ収まらず、ここにきて感染者数がさらに増加しています。経済状況も大変な中、財政再建を強調する論説が主要新聞の社説に一斉に載るなどしていますが、いったい何を考え…

紀平梨花4回転成功、だがしかし…

12月25日から長野で開催されたフィギュアスケート全日本選手権。今年はさすがにチケットを入手できず、14年振りにオールTV観戦となりました。今年は海外を拠点とする選手が、全日本まで試合に出ることができなかったため、どのように仕上げてくるのか不安な…

読書記録「出来事と写真」

出来事と写真作者:畠山 直哉,大竹 昭子発売日: 2016/02/16メディア: 単行本最近読んだ本ですが、印象に残ったというより、不思議な偶然を感じた本です。2011年に東北の大震災がありましたが、その年の秋、恵比寿の東京都写真美術館で開催された「ナチュラル…

追悼 筒美京平

筒美京平さんが亡くなりました。全盛期だったと思われる、70年代から80年代にかけて、この人の作られた名曲の数々を、リアルタイムで体験できたのは私にとって大変幸せでした。そんな名曲群の中で、私にとってのベストワンは、平山三紀の「真夏の出来事…

閑谷学校

今年の夏はコロナと猛暑でほとんど出かけてられませんでしたが、姫路に仕事で行かないといけなくなり、それなら青春18きっぷを使って少し西へ足を伸ばし、閑谷学校に行ってみようと思いつきました。8月17日、山陽本線の吉永駅で下車。岡山県に入って2つ目の…

読書記録 約束の果て 黒と紫の国

今回は古代中華風ファンタジーの最近の傑作をご紹介します。 約束の果て: 黒と紫の国 作者:高丘哲次 発売日: 2020/03/25 メディア: 単行本(ソフトカバー) 先ほど、「古代中華風ファンタジー」というジャンルをであると書きました。このジャンルは何といっ…

隠れ社寺訪問記(19)大聖勝軍寺

隠れ社寺訪問記、今回は八尾市にある大聖勝軍寺です。 隠れ社寺という定義は厳密なものではないのですが、それでも一般的には山深いところにあって隠れているイメージとなるでしょう。 ただ、街中にありながら、というか街中ゆえに隠れてしまっている社寺も…

日田市のこと

7月6日頃より、九州各地を豪雨が襲い、道路や鉄道に大きな被害が出ました。鉄道では肥薩線、九大線、くま川鉄道などの鉄橋が流されました。 3年前にも日田市付近に大雨が降り、九大線と日田彦山線の鉄橋が流されました。九大線はその後復旧しましたが、日田…

二つの仕事小説ー「狭小邸宅」「歪んだ波紋」

緊急事態宣言により休館していた図書館が再開され、かなり以前に予約していた本が2冊到着したというので、さっそく借りて読みました。 狭小邸宅 (集英社文庫) 作者:新庄 耕 発売日: 2015/02/20 メディア: 文庫 歪んだ波紋 作者:塩田 武士 発売日: 2018/08/0…

カミュ「ペスト」を読む

昨日のことですが、内田樹氏のある韓国の詩人の詩集についての書評がTwitter上で批判されていました。どのような批判がなされているかというと、冒頭から4分の3が、本の内容と直接関係ない自分語りに費やされ、最後にようやく内容に触れる、というスタイル…

緊急事態宣言解除

5月21日、大阪、神戸、京都の緊急事態宣言が解除されました。昨日まで休業していたなんばウォークも今日から再開されました。この間、平日は通勤していましたが、連休明けの7日に見た皆さんの生き生きした感じは忘れられません。そして先週金曜日には鶴橋…

第80回皐月賞

またかなり更新が遅れましたが、大変な情勢の中、何か良いことがないと記事を書く気にはなれません。そんな中、日本に今残されたほぼ唯一の娯楽である競馬は今週も開催され、第80回を迎えた皐月賞が行われました。昨年来、ディープインパクトの最高傑作の呼…

毘沙門天 北方鎮護のカミ@奈良国立博物館

奈良国立博物館で毘沙門天 北方鎮護のカミが開催されています。3月22日までの予定ですが、ただし現在休館中であり、3月15日以降も開館されるかは微妙です。私は2月22日に見に行きました。雨の中、春日大社の宝物館から歩くのは大変でしたが、後から思えばこ…